人工知能研究者・感性アナリスト 黒川伊保子~男には「3点豪華主義」で向かえばいい

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に脳科学・AI研究者の黒川伊保子が出演。脳の違いを理解して夫とうまく暮らすコツについて語った。

人工知能研究者・感性アナリスト 黒川伊保子~男には「3点豪華主義」で向かえばいい

ニッポン放送「あさナビ」

黒木)今週のゲストは人工知能研究者で感性アナリストの黒川伊保子さんです。夫には相談しない方がいいということについて、お聞きしたいのですが。

黒川)男性の脳は「ゴール指向問題解決型」と言って、1つはゴールに一直線。もう1つは問題解決型で、物事の欠けていること、悪いことをいち早く見つけて物事を改善する。女性の方は、嬉しいことがあれば嬉しいことに共感する、悲しいことがあれば悲しいことに共感するというように、いろいろな使い方があるけれども、男性の場合は基本的に批判から始まるのです。それは意地悪なわけでも、批判しているわけでもない。成功させようと思っているときも、「君、ここをこうした方がいいよ」、「これはやめた方がいいよ」という言い方から入るのですけれども、女性の場合は「プロセス指向共感型」と言って、批判の指摘から入られると、モチベーションが下がってしまう。女性からすると、自分がしようとしていることを否定されたように聞こえてしまうので、いまから何かを始めようと思ったときに、必ず嫌な感じがする。子どもに新しい習い事をさせるというとき、塾に行かせる、あるいは働きに出たいということを、女友達に相談するように夫に相談すると、必ずがっかりさせられるから、私はしません。

黒木)相談をしない。

黒川)しない。会社を辞めて自分の会社を起こすときも、「来月、会社を辞めることにした。ついてはベンチャービジネスの会社を起こすね。おそらく儲かると思うから心配しないで」と伝えただけです。異常ですよね。自分のなかにも不安はあるけれど、その不安を夫に持ち出されて、さらにネチネチと刺激されるくらいなら、自分1人で乗り越えようと思いました。

黒木)へえ。

黒川)でも実際に資金が足りなくなってしまったりすると、「資金ショートしそうだからお金を貸してくれない?」ということは、夫ならば言えるので、夫に甘えるわけです。しかし、それを最初に「資金ショートしたらお願いね」と言ってしまうと、いろいろと言って来るわけです。ですので、結果オーライで行くのです。自分の不安を夫にぶつけて、何とかしてもらおうと思うと大抵、失敗すると思います。それと『夫のトリセツ』でいうと、大事なことはもう1つ、ルールにするということです。私は「3点笑顔主義」と言っているのですが、基本的に物理的なものを見るときも、女性は面で潰してブワッと見る。男性はいくつかの点をつなげて、妄想でものを見る。狩りをするとき、数メートルの広い空間を一気に見なくてはいけないから、山の稜線や道の稜線、ちょっとしたランドマークみたいなものをかいつまんで見て、全体の距離感やものの構造を一気に把握しようとする。面で潰して見ることはしません。だから男性向けにメイクするときは、「3点豪華主義」でいいとよく言います。少し目尻が優しくて、唇がふっくらしていて、うなじが綺麗だったら美人だと思い込むから。全部をつくると、どこを見たらいいかわからなくなる。だから自分が見てほしい3点だけを決めて、ポイントメイクがいいのでは、といつも言います。同じように、1日の生活のなかでもポイントメイクをします。男性は朝バタバタしていて、機嫌が悪い。一方、妻の方は、夫が職場から帰って来ると機嫌が悪くて、子どもにガミガミ言っているとするではないですか。そうすると夫は、何となく妻の機嫌が1日中悪い感じがするのです。そのように自分の妄想で、間を面で潰してしまうからです。それが朝、「行ってらっしゃい」が笑顔で、「お帰りなさい」が笑顔だと、1日中機嫌がいい女のような気がする。そういう特性があるので、3点笑顔主義と言って、「朝のおはよう」と「行ってらっしゃい」と「お帰りなさい」は平常心で、できれば笑顔でする。そうすれば「この人は笑顔の人だ」と男は思う。男は点をつなげてイメージする癖があるので、3点以外は途中でイライラしても大丈夫です。

人工知能研究者・感性アナリスト 黒川伊保子~男には「3点豪華主義」で向かえばいい

ニッポン放送「あさナビ」

黒川伊保子(くろかわ・いほこ)/人工知能研究者・感性アナリスト・エッセイスト

■1959年、長野県生まれ。栃木県育ち。
■1983年、奈良女子大学理学部物理学科を卒業。
■富士通ソーシアルサイエンスラボラトリで、14年にわたり人工知能の研究開発に従事。その後、コンサルタント会社勤務、民間の研究所を経て、2003年に株式会社感性リサーチを設立。代表取締役に就任。
■2004年、脳機能論とAIの集大成・語感分析法『サブリミナル・インプレッション導出法』を発表。サービス開始と同時に化粧品、自動車、食品業界などの新商品名分析を相次いで受注し、感性分析の第一人者となる。
■著書に『妻のトリセツ』『夫のトリセツ』(講談社+α新書)など。

番組情報

黒木瞳のあさナビ

毎週月曜〜金曜 6:41 - 6:47

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳

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