ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(5月28日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。9月入学の導入について解説した。
政府与党が9月入学について2022年まで見送る方針
政府・与党は、新型コロナウイルス感染症の影響で検討した9月入学の導入を2022年まで見送る方針を固めた。
飯田)きょう(28日)には、朝日と毎日が1面トップで報じているのですが、自民党、公明党内からも見送る声が出て、政府与党としては見送る方針ということです。異論も出ていましたが、どうご覧になっていますか?
社会のサイクル自体を変える必要が生じる
鈴木)前々から9月入学の議論はありましたけれど、なかなか進みません。教育行政というのは極めて硬直化して閉鎖的で、なかなか改革が進まないのです。教育立国は大事で、人材こそが国をつくって行くので、そういう意味では、教育制度や形を改革して行かなければいけないと思っていました。下村博文さんが文科大臣のときには一生懸命やっていたのですが、9月入学というのは、約40本の法律を変えなければいけなかったり、日本の社会そのものが年度で言うと4月スタートで3月終わりであったりする仕組みがあります。日本のサイクルが4月スタート、3月終わりになっているなかに、教育も含まれているわけです。教育を変えるとなると、そういうところも全部変える必要も出て来る。
コロナ騒動に乗じるのではなく、きちんと議論するべき
鈴木)更に文化論もあると思うのです。桜の時期に入学して、桜が咲くかどうかの時期に卒業して行く。春夏秋冬があって、夏休みがあり、冬休みがある。文化論と言ったら笑われるかも知れませんが、そういうものもあると思います。9月入学をノーと言っているのではなく、しっかりとした議論が必要だと思うのです。「議論をしていたら前に進まないから、このタイミングで」と言うけれど、なぜ進まないのかと言ったら、硬直化した教育行政分野があるからです。政治はこれを壊すことができるわけだから、コロナ騒動に乗じてではなく、きちんと議論した方がいい。
飯田)これがいいきっかけにもなるし、新しい技術を使ってどう教育するかというところも出て来ていますよね。
鈴木)オンライン教育を含めて、課題が出て来ましたからね。
飯田)いろいろなアイデアが出ているなかで、4月入学もいいし9月入学もいいし、両方やったらどうだというような。
鈴木)自由にするのも選択だと思います。
飯田)間口を広げて視野を広げ、議論することが必要ですね。
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