新型コロナで露呈した日本のデジタル化の遅れ
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月23日放送)にジャーナリストの有本香が出演。政府が22日に開かれた経済財政諮問会議において、デジタル化への投資を行う考えを示したというニュースについて解説した。
政府がデジタル化への集中的な投資へ
政府は22日、経済財政諮問会議を開き、来月取りまとめる経済財政運営と改革の基本方針、いわゆる「骨太の方針」の骨子案を示した。このなかで、新型コロナの対応で行政のデジタル化の遅れや、テレワークの普及に向けたオンライン環境の整備などの課題が指摘されていることを踏まえ、デジタル化への集中的な投資を行う考えを示した。
飯田)テレワークで効率が落ちたというような記事もありましたけれども。より投資をするということだそうです。
有本)「COCOA」という接触確認アプリ、ダウンロードされましたか?
飯田)このアプリについて、メールも来ています。“ヤスアキ”さん、川崎市中原区の方です。「気になっているのですが、問題ないのかも知れませんけれども、この手のアプリのダウンロードには抵抗がある」と。個人情報を取ることにはならないと言っていますけれども、ダウンロードすることには抵抗がある。でも、326万人にダウンロードされているとのことです。
新型コロナ感染対応でわかったこと
有本)政府も張り切ってはいますけれども。ただ、行政自体のデジタル化となると、このアプリのレベルではないわけです。今回、いろいろな問題が明らかになったではないですか。例えば給付金。あれも超アナログなやり方をしていますよね。
飯田)そうです。
有本)マイナンバーカードそのものを皆さんが取得するというところから始まるわけですが、マイナンバーのシステムも、行政が必要なことを把握して対応するという仕様になっているのかという疑問もある。しかも日本の場合、やたらとこのようなものにアレルギーのある方がいらっしゃる。総務大臣が言っているように、銀行口座を紐付けすると言えば、それも反対だと言っている方がいらっしゃるのだけれども、では、「普通にものを買うときのネット決済はいいのか」という話ではないですか。
飯田)皆さん、普通にクレジットカード情報を提供しています。
いざというときに迅速な対応ができるようにデジタル化を進めて欲しい
有本)セキュリティそのものは、厳重にしてもらわなくては困るのですが、いまの時代、行政の上でもデジタル化されて、効率的に、いざというときに迅速な対応ができるように、ことを進めてもらいたいと思います。
飯田)今回の件でマイナンバーカードを持っていたとしても、引き出せるデータの照らし合わせを個人に対してはできるけれど、世帯となると他の人のものまで照合しなければならないから、1つ1つプリントして見なくてはいけない。その辺は法の立て付けがそうなっているので、現場はそうせざるを得ないのですが、だとすると法の立て付けがどうだったのかという話になる。住基カードで1度失敗もしていますし、そこでかなり使い勝手を悪くする形になっていた。
有本)そうです。だから日本の場合は反対があると、それに対して行政側があまりにも日和る。屋上屋を架すような修正がされてしまうことがあるのですが、それはやめてほしい。これは何より効率化であり、正しく行政側が1人1人の住民の現状を把握できて、的確に政策が打てるということを目的としているわけですから。
飯田)ひょっとしたら困窮世帯30万も、マイナンバー制度が確実に所得を把握できるのであれば、その方がよかったし早かったかも知れない。
有本)今回のことでよくわかったのは、政策というのはタイミングです。そのとき、すぐにやれるかやれないかで全然違うし、今回の感染の履歴についても素早く把握できるかどうかということです。
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