コロナ禍での都知事選、模索が続く

By -  公開:  更新:

「報道部畑中デスクの独り言」(第196回)

ニッポン放送報道部畑中デスクのニュースコラム。今回は、新型コロナウイルスの影響下で行われる東京都知事選について---

街頭演説では「3密」を避けるよう呼びかけるプラカードが(中野駅前 画像は一部加工してあります)

東京都知事選挙が6月18日、告示されました。新型コロナウイルス感染拡大がなければ、いまごろは東京オリンピック・パラリンピック開催を前にした高揚感のなかでの選挙になっていたことでしょう。改めて一寸先は闇…先のことはわからないものです。

新型コロナウイルスの影響で、選挙戦も様変わりしています。今回、史上最多となる22人が出馬していますが、街で選挙カーの姿はあまり見られません。ある陣営によると、街頭演説は“本来”の半分以下。スタッフは「“3密演説”と批判されるのが怖い」と漏らします。

その少なくなった演説も、場所が一般に知らされないケースが多いようです。選挙カーと観衆との距離(もちろん物理的な)は拡がり、「ソーシャル・ディスタンス」を呼びかけるプラカードを掲げたり、候補者と有権者、支援者との交流が握手の代わりに、いわゆる「グー・タッチ」「エアー・ハグ」となるなど、「3密対策」がなされています。

オンラインやインターネットを活用した手法も盛んです。前出の街頭演説は、時刻のみHPやツイッターなどで告知し、ネット中継されています。現場では取材メディアの他に、ネット中継のカメラが“特等席”を占めています。

候補者が部屋にポツンと座り、オンライン会議システムを使って識者や支援者とのディスカッションに臨むケースも。

オンライン会議システムを活用した選挙戦も(画像は一部加工してあります)

ある陣営では「開始30分前から続々と参加して来る。反応はいい」と話す一方、これが投票行動につながるかどうかについては「まったくわからない」「いまの状況下ではあらゆることを駆使し、やれることは何でもやらなければならない」…正直、手探りのようです。

コロナ禍を機に、これまで日本で行われて来た「どぶ板」選挙中心の姿が変わって行くのか…そういう意味でも興味深い選挙戦と言えます。

今回の選挙戦には「2つの通信簿」があると思います。1つは言うまでもなく、現職知事への通信簿。

東京オリンピック・パラリンピック開催の是非、新型コロナウイルスへの対応…これらを含む4年間の小池都政に対し、有権者はどのような評価を下すのか。そして現職に挑む21人にどれだけの票が集まるのか、現職を凌駕する候補が出て来るのか…。

そしてもう1つは、「対抗勢力への通信簿」です。都知事選は国政選挙の視点から見ると、違った構図となるのは珍しくありません。今回、与党は現職を実質的に支援しますが、自民党は形の上では自主投票。野党は立憲民主党、共産党、社民党が連携して1人の対立候補を支援する一方、国民民主党は自主投票となりました。

そして日本維新の会、れいわ新選組は単独で別の候補者を公認、または推薦しています。さらに政党と支持団体が袂を分かつ例もあり、以前にもまして複雑な様相を呈しています。

対立候補のなかで抜け出すのは誰か…その行方も注目されます。対立候補にも別の意味で審判が下ることになるでしょう。

東京都庁 次の都政を担うのは誰?

都政と国政はもちろん別物。都知事選は都政の政策が投票の決め手であるべきです。しかし、この2つの通信簿が国政における「風」を図る側面があることも間違いありません。

安倍政権の新型コロナウイルスへの対応は、賛否が分かれています。これに加えて検察庁法改正案、イージス・アショアの配備計画停止、ともに国会議員である河井克行・案里夫妻の逮捕…さまざまな問題が噴出したなかで、国会は閉じられました。

選挙結果は野党にとって問題追及の「追い風」となるのか…あるいは、与党にとって有利になるのか…。そうなれば、ここでにわかに出て来た「解散風」が強まることも予想されます。

複雑な要素がからみながら、7月5日の投開票日に向けて、それぞれの戦いが続きます。(了)

Page top