【ライター望月の駅弁膝栗毛】
令和2(2020)年も、折り返し地点。
コロナ禍は、いままでにない“移動の自粛”を生み出しました。
東京から下って行く新幹線「のぞみ」号も乗客が戻ってきておりますが、地域によっては、首都圏との人の行き来に眉をひそめる方もいる様子。
移動の際、人は密にならず、先方とのコミュニケーションは密に行うことが求められます。
駅弁135年を迎える今年(2020年)上半期の駅弁は、いままでにない厳しさとなりましたが、そのなかで「通信販売」の駅弁に大きなスポットが当たりました。
いち早く、5000円以上の購入で送料が無料となる「自宅で駅弁!旅気分!キャンペーン」を行うなど、通信販売の拡充を行ったのが、神戸駅弁の「淡路屋」。
この淡路屋が、5月3日から“再”発売しているのが、「豚々拍子」(1100円)です。
「豚々拍子(とんとんびょうし)」と読む、豚の笑顔が可愛らしい容器の駅弁。
いただいた後の陶器製容器は、貯金箱としても使うことができます。
“再”発売というのは、この駅弁、最初は平成16(2004)年の発売。
今回、コロナ禍にあって、「笑顔不足の全国の皆さんに笑顔を届けたい!」という思いから、リニューアルを受けて、復活を果たしました。
【おしながき】
・味付けご飯
・豚肉甘辛煮込み
・煮玉子
・菜の花ごま油和え
・茹でピーマン
「豚々拍子」は、台湾風の魯肉飯(ルーローハン)弁当。
ふたを開けると、フワ~ッと独特の香りが漂い、「最近、海外旅行が足りてないなぁ」という、アナタにも、きっと有難い駅弁です。
2004年版よりも彩りが鮮やかになって、いまの時代にふさわしい盛り付けにバージョンアップしており、私もしっかり“笑顔”になりました。
東海道・山陽新幹線のN700系新幹線電車は平成19(2007)年の登場以来、バージョンアップが行われており、平成25(2013)年には「N700A」が営業運転を始めました。
そして、明日(7月1日)からは、さらに進化を遂げた「N700S」が営業運転を開始します。
車両も駅弁も、決して「進化をやめない」のが、日本の鉄道文化。
いまだから、前を向いて笑顔で、2020年下半期のスタートを切りたいものです。
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/