中国の調査船拿捕を念頭に政府が法整備へ

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月27日放送)に中央大学法科大学院教授の野村修也が出演。政府が中国等の調査船の取り締まりが可能となる法整備の検討に入ったというニュースについて解説した。

沖縄県尖閣諸島海域で、中国公船(奥)を監視する海上保安庁の巡視船[海上保安庁提供]=2020年5月16日 写真提供:時事通信

外国船の海洋調査も取り締まり可能な新法制定や法改正を想定

日本最南端の東京・沖ノ鳥島の排他的経済水域(EEZ)で7月、中国の海洋調査船が6日連続で調査活動したことを受け、政府は調査船の取り締まりが可能となる法整備の検討に入った。外国船による科学的な海洋調査の場合でも、海上保安庁による拿捕や逮捕が可能となる新法制定や法改正を想定している。

飯田)EEZ内での海洋調査は、その国の許可がなくてはできません。今回の件は日本に通告をしていないなかで、海洋調査船が活動をしていたのではないかと言われています。

航空写真(2007年6月)(沖ノ鳥島-Wikipediaより)

問題は海洋条約に違反する中国を現実的に阻止する力が日本にないということ

野村)海のルールは非常に難しくて、領海というところがあります。この領海は国土ですから勝手に入れませんが、無害通航権というものがあって、通り道になっているところは、無害であれば通っていいという話になっています。EEZはその外ですから、必ずしも領土ではありませんので、航海に近いところです。当然そこは海外の人たちも使える場所になっているわけですが、排他的経済水域の排他的とはどういうことかと言うと、天然資源の調査や人工島の建設、海洋環境を保護するという権限は沿岸国、今回の場合は日本が持っているのです。それを侵害するような行為は許されないということになっています。だから、その部分は海洋法条約に基づいて文句が言えるという状況になっています。ただ実際には、ある意味で違反があったとしても、強制的に阻止する力がいまの日本には乏しいということが問題なのです。

飯田)漁業法などに基づいて立ち入り検査をして、最終的には拿捕まで行くのですが、犯罪認定をしてからでないとできない。海保の現場の人に聞くと、これが大変なのだと言います。

野村)おっしゃる通りで、漁業主権法や鉱業法という法律などに基づき、個別に措置を講じることはできるのですが、一般的な安全保障という観点から指示を出したり、極端な場合、拿捕するような権限はありません。ただ海外には、そういうルールをつくっている国もあります。例えばドイツなどのように、警察権の範囲のなかで公益を守るために、そういう措置が講じられるようなルールを定めているところもあります。日本でこれだけ不審な調査が行われているということであれば、海外の法制などを参考にしながら、どこまでできるのか、国際社会から批判を受けないような形でつくらなければならないということで、調査を始めるのだと思います。

飯田)確かに国連の海保条約を見ると、公船に関しては「出て行ってください」とお願いする以外は、何もできないとも読めてしまいますよね。

野村)その辺りの法整備は、かなり慎重に議論して行かなくてはいけないところだと思います。

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