【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第885回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、 全国順次公開中の『ロックンロール・ストリップ』をご紹介します。
木下半太の自伝的小説を映画化
「悪夢のエレベーター」などで知られる作家・俳優の木下半太による自伝的小説を、自らメガホンを取り、映画化した『ロックンロール・ストリップ』。
大阪のストリップ劇場を舞台に、映画監督を夢見る劇団座長が売れない劇団員とともに奇跡のパフォーマンスを繰り広げる、痛快エンターテインメントです。
『ロックンロール・ストリップ』のあらすじ
映画監督になるという夢を抱いている、木村勇太。しかし実情は、売れない劇団の座長を務め、大阪で小さなバーを経営している。長年付き合っている恋人・栗山千春との結婚に踏み切ることもできず、散々な日々を過ごしていた。
ある日、勇太は閉店間際のバーにやって来た謎の美女・冬音から、ストリップ劇場で芝居を上演して欲しいという依頼を受ける。実は冬音は人気ストリッパーの旭川ローズで、勇太が主宰する「チームKGB」の大ファンだった。
劇場を満員にしたい旭川ローズの思いを叶えるために、勇太は劇団員たちと珍騒動を繰り広げる……。
『ロックンロール・ストリップ』のみどころ
木村勇太役には、本作が映画単独初主演となるジャルジャルの後藤淳平。不器用だけれど夢に向かってがむしゃらに突き進む主人公を、エネルギッシュに演じています。
かつては某バラエティ番組で“踊りたくない芸人”として脚光を浴びたこともありますが、劇中では苦手の(!?)ダンスも披露。クライマックスで見せるパフォーマンスは必見です。
共演には、徳永えり、智順、三戸なつめ、坂口涼太郎、ぎぃ子、やべきょうすけ、木下ほうかなど、個性派俳優がズラリ。
その一方で、品川祐(品川庄司)、村田秀亮(とろサーモン)、堤下敦(インパルス)、佐田正樹(バッドボーイズ)ら、 賑やかな顔ぶれも登場し、物語に濃いめのエッセンスを加えています。
本作で長編監督デビューを果たし、25年越しの夢を叶えた木下半太監督によると、この映画に描かれているエピソードは「ほぼ実話」とのこと。
まさに夢を追いかけている世代の人も、かつてそういう時代があったという人も、胸がアツくなること間違いなし。コロナ禍で閉塞感が漂ういまこそ、多くの人に観て欲しい1作です。
<作品情報>
『ロックンロール・ストリップ』
2020年8月14日(金)からテアトル新宿(東京)・第七藝術劇場(大阪)ほか全国順次公開中
監督・脚本:木下半太
原作:木下半太「ロックンロール・ストリップ」(小学館文庫刊)
音楽:Calmera
出演:後藤淳平(ジャルジャル)、徳永えり、智順、三戸なつめ、坂口涼太郎、ぎぃ子、町田悠宇、品川祐(品川庄司)、村田秀亮(とろサーモン)、堤下敦(インパルス)、佐田正樹(バッドボーイズ)、宇野祥平、深沢敦、乃緑、綾部リサ、大川成美、後藤拓斗、内藤光佑、立山誉、西郷豊、保土田充、黒岩よし、ふーみん、田中慎也、あだち理恵子、伊舞なおみ、Calmera、やべきょうすけ、木下ほうか
(C)木下半太・小学館/タッチアップエンターテインメント
公式サイト https://www.rocknroll-strip.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/