【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第906回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
今回は、9月25日から公開の『アダムス・ファミリー』をご紹介します。
世にも不気味なファミリーが教えてくれる、他人とは違うことの尊さ
アルフレッド・ヒッチコックやティム・バートンなど、世界の名立たるクリエイターたちにインスピレーションを与えたと言われる「アダムス・ファミリー」。
ちょっぴりひねくれたユーモアセンスとキャラクターの独創的な魅力から人気に火がつき、1960年代にはTVシリーズやアニメシリーズが放映されました。
そして1990年代には、世界的に爆発的なヒットを記録した映画が誕生。そんな世界中で愛される名作が、初の劇場版アニメーションとなってスクリーンに登場です。
『アダムス・ファミリー』のあらすじ
人里離れた山奥で結婚式を挙げたモンスターのカップル、ゴメズとモーティシア。しかし突然襲って来た人間たちに故郷を追われ、2人は丘の上の荒れ果てた屋敷にたどり着く。
それから時は流れ、夫婦は長女ウェンズデーと長男パグズリー、そして執事のラーチとともに平穏な日々を過ごしていた。
ある日、ウェンズデーは丘の下には住宅地があり、そこには大勢の人間が住んでいることを知る。住宅地をプロデュースしたのは、テレビの人気司会者マーゴ・ニードラー。ゴシックなアダムス一家とは正反対のカラフルに彩られた街には、“普通”を愛する人々が暮らしていた。
マーゴの娘パーカーと友達になったウェンズデーは、自分たちとは全然違う世界に興味津々。しかしこの住宅地には、ある秘密が隠されていて……。
『アダムス・ファミリー』のみどころ
人気シリーズのアニメ化だけに、ヴォイス・キャストは実に豪華。
ゴメズの声を担当するのは、『アダムス・ファミリー』の大ファンだったというオスカー・アイザック。そして、モーティシアはオスカー女優のシャーリーズ・セロン。
ウェンズデーにクロエ・グレース・モレッツ、パグズリーがフィン・ウォルフハード、さらにおばあちゃん魔女フランプにベット・ミドラー。このメンバーで実写化して欲しいぐらい、実に見事なキャスティングですよね。
また日本語吹替版も、ゴメズ役に生瀬勝久、モーティシア役に杏、ウェンズデー役に二階堂ふみをはじめとする、これまた賑やかな顔ぶれ。一緒に指を鳴らしたくなる、あのテーマ曲も健在!
オリジナルと日本語吹替版、見比べてみるのも一興ですよ。
本作は、チャールズ・アダムスによる原作の世界観を大切にしたオリジナル・ストーリー。
ゴメズとモーティシアの結婚秘話や、ウェンズデーが人間の中学校に通うなど、気になるエピソードが散りばめられており、原作ファンはもちろん、アダムス・ファミリー初体験の人も楽しめる作品となっています。
ゾッとするほど魅力的なこの家族。あなたもきっと、世にも不気味でチャーミングなファミリーの虜になるはず。
<作品情報>
『アダムス・ファミリー』
2020年9月25日(金)からTOHOシネマズ、イオンシネマにて全国ロードショー
監督:コンラッド・ヴァーノン、グレッグ・ティアナン
脚本:マット・リーバーマン
声の出演:オスカー・アイザック、シャーリーズ・セロン、クロエ・グレース・モレッツ、フィン・ウォルフハード、ニック・クロール、ベット・ミドラー、スヌープ・ドッグ
日本語吹替版:杏、生瀬勝久、二階堂ふみ、ロバート秋山、LiLiCo、井上翔太
(C)2020 Metro-Goldwyn-Mayer Pictures Inc. The Addams Family(TM) Tee and Charles Addams Foundation. All Rights Reserved.
原題:The Addams Family
公式サイト https://addams-movie.com/
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/