混迷の米大統領選 僅差でバイデンか
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アメリカ・ニュージャージー州在住のジャーナリスト冷泉彰彦氏が11月4日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演し、この日開票が行われつつもいまだ結果の見えないアメリカ大統領選挙について解説した。
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米大統領選が開票 2020年11月3日、米カリフォルニア州のバーで開票速報を見る人たち(ロイター=共同) 写真提供:共同通信社
しばらく決まらないペンシルベニア州 郵便投票はバイデン強いか
辛坊)どう動いていくのですかね。
冷泉)とにかく、全部僅差になっていまして、最悪の場合はペンシルベニアは3日の投票日の消印有効で、金曜日まで受け付けていると言っていますので、すると、あと3日くらいかかるんじゃないかと言われています。とにかく、恐れていた混乱シナリオが出てきそうな感じです。
辛坊)そもそも、1つ疑問に思うことがあるのですが、今回事前の郵便投票6000万、期日前投票と合わせて1億と言われていますよね。となると、トータルの投票の半分は期日前投票だったりするわけで、それなのにどうして、当日開票速報でここまで確定していくのですか。どういうシステムでどうやってカウントしているんですかね。期日前投票も大変カウントされているということですか。
冷泉)これが、各州でバラバラなんです。例えば、フロリダの場合は期日前投票も事前に締め切って、郵送投票も締め切って3日の夜にぱっと出すということを言っていたのですが、結局ダラダラと遅れました。あとは、ペンシルベニアみたいに「まだまだ待つぞ」という州があったり、結局、各州の各郡単位の選管がそれぞれ受け取ったものを「期日前」「郵送」「当日」の3つのグループをダラダラ数えているという感じです。
辛坊)となると、この時間でも確定していないペンシルベニア、ノースカロライナ等々はこのままの状況で日を跨いで、しばらく決まらないということがあり得るわけですね。
冷泉)特にペンシルベニアはそうだと言われていますし、それからいままだ数えていないなかに、相当郵送投票が入っていて、民主党の人は早くから郵送投票で出していますから、バイデンさんの票がかなりあるんじゃないかみたいな説など、いろいろな説が言われています。
辛坊)それって、もうすでにアメリカの報道でも青(バイデン)か赤(トランプ)か、色が確定している州でも、今後郵便投票のカウントによっては色がひっくり返るということもないではないということですか。
冷泉)その辺りを、各局それぞれ詳しく取材をしています。日本と同じです。放送局が担当者の評価覚悟で当確を打っているみたいな、そんな感じです。
辛坊)なるほど。となると、ほぼほぼ色がひっくり返るほどの変動はなかろうということで、色がついていないところがどうなるかが、まさに今後の焦点になっていくということですね。
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米大統領選挙 バイデン氏(2020年10月29日)とトランプ氏(2020年10月30日) (Photos by JIM WATSON and MANDEL NGAN / AFP) AFP=時事 写真提供:時事通信
僅差でバイデンか……
辛坊)さて、なかなか予想しづらいと思いますけれども、どうなりますか。
冷泉)これは、本当に答えづらいんですよね。いま(日本時間4日16時)の数字が、ウィスコンシンとミシガンとペンシルベニアとまったくわからないので、私としてはこれから混沌が始まるとしか申し上げようのない感じです。とりあえず、これまで言ってきたことを簡単に覆すわけにもいかないので、僅差でバイデンさんと言っておきましょう。ペンシルベニアもウィスコンシンもミシガンも最後に開くのは民主党の票のチャンスがあるんだということに信じて賭けます。