雅楽で使われる「笙(しょう)」という伝統楽器

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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)に音楽監督・笙奏者の宮田まゆみが出演。雅楽で演奏される笙(しょう)の仕組みについて語った。

宮田まゆみ

黒木)毎日さまざまなジャンルのプロフェッショナルにお話を伺う「あさナビ」。今週のゲストは、雅楽で使われる東洋の伝統楽器である笙(しょう)奏者の宮田まゆみさんです。宮田さんは笙を世界に広められた第一人者です。まず、雅楽とは何か、また、笙について教えてください。

宮田)日本で雅楽と呼ばれているものは、大きく分けて、日本古来のものと、朝鮮半島や中国大陸から渡って来た音楽が融合して、平安時代の半ばに日本で作曲されたものがあります。皆様がお聴きになる「越天楽」という有名な曲がありますが、「越天楽」のような曲が渡って来たのが8世紀前後です。神社のイメージが強いのですが、はじめは大きなお寺で演奏されることが多かったのです。次第に宮廷や貴族の宴会、あるいはプライベートに演奏されるようになって来ました。それを引き継いでいるのが現在の雅楽です。

黒木)笙は竹でできているのですか?

宮田)はい。お椀型の空気が出入りするところは木でできていて、漆が塗ってあります。この上に細い竹が17本刺さっていて、その根元に金属の小さい簧(した)があります。西洋で言えばリードです。これが振動して、空気を通したときに簧が表と裏と両方振動して音が出ます。吹く息と吸う息と両方同じ音が出ます。

黒木)その17本の竹の長さが違うのですよね? 左右対称にはなっているのですね。

宮田)鳳凰が羽を休めた形になっていると言われています。そのなかにまた窓が開いていて、本当の長さはここまでです。形を整えるために2つ山型になっているのですが、実際は上の部分は必要ないのです。上の部分は綺麗な形にするためにあるのです。

黒木)鳳凰が羽を休めた形に見えるように、美しくつくられているということですね。本当は温めないといけないのですよね?

宮田)そうなのです。ただ、温かい空気がかかると簧が結露してしまって音が出なくなるのですが、吸えば出ます。

黒木)お聴きすると、1つの音と、複数の音とありますよね。

宮田)穴を押さえたところの竹だけ発音します。

黒木)穴があるのですね。

宮田)根本にある穴を押さえると、その竹の菅が成立して共鳴するようになります。

黒木)それで初めて同時に音が重なるのですね。

宮田)押さえたところの音だけ、オルガンの鍵盤を押さえるような感じです。

黒木)いい音ですね。

宮田まゆみ

宮田まゆみ(みやた・まゆみ)/音楽監督、笙奏者

■1954年生まれ。東京都出身。国立音楽大学ピアノ科を卒業後、雅楽を学ぶ。
■1979年より国立劇場の雅楽公演に出演。
■1983年より「笙」のリサイタルを行って注目をあび、第3回リサイタルにより芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。
■1998年の長野オリンピック開会式では「君が代」を演奏。
■海外ではニューヨーク・パリ・アムステルダム・ミラノ・ウィーンにてリサイタルを行う他、ドナウエッシンゲン現代音楽祭、ウィーン現代音楽祭に招かれ、数多くの国際的作曲家の新作初演を行うなど、西洋の音楽家と積極的に交流。
■現在、国立音楽大学招聘教授。古典的な演奏の他に、オーケストラとの共演や現代音楽にも取り組み、「笙」の音色を通じて、多彩な音楽表現を追求している。
■雅楽の合奏研究を目的に1985年に発足した雅楽演奏グループ「伶楽舎(れいがくしゃ)」の音楽監督を務め、第50回ENEOS音楽賞・邦楽部門を受賞。

番組情報

ENEOSプレゼンツ あさナビ

毎週月曜〜金曜 6:43 - 6:49

番組HP

毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳


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