キャスターの辛坊治郎氏が2月1日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。期間延長の見込みとなった「緊急事態宣言」の意義を問うとともに、効果検証の必要性を訴えた。
緊急事態宣言対象の11都府県と対象外の36道県では感染の減少傾向に違いが出るはずだが
2月7日に期限を迎える新型コロナに関する緊急事態宣言について、政府は2日に諮問委員会を開いて、専門家から意見を聞いたうえで判断し、延長する対象地域や期間などについて決定する。
辛坊)ずっと気になっていることがあるんです。11都府県に緊急事態宣言が出されているということは、36道県には緊急事態宣言は出されていないんですよ。やっぱり緊急事態宣言が出されて、営業などが実質厳しく制限されている11都府県と、それ以外の自治体では感染の減少傾向に違いが出ると考えるのが普通ですよね。まともな思考というか、普通の考え方で言うと。
11都府県以外の感染状況がどうなのかというのをグラフ化しているサイトがあって、そのグラフを私、ずっと気になってみていて、一部は私のツイッターにあげたりしているのですが、これをみると、残念なことに……。
何が残念なのか。緊急事態宣言の効果というのを当然皆さんが期待しているというのはわかります。それで一生懸命頑張っている方がたくさんいるのもわかります。その人たちにとっては「緊急事態宣言をやったからだ」と当然思いたいし、そういう結果を期待しながら私もグラフをみたのですが……。
熊本、広島、宮城の減少傾向は、東京と同じである
東京都のピークは1月7日の緊急事態宣言が発令された日に、1日ごとの感染者、PCR検査等の陽性者数が最大で、そこから右肩下がりにがっと下がっているのは皆さんご存知の通りですが、例えば熊本県。なぜ熊本かというと、ある程度の都会で、東京からかなり離れている。新幹線で福岡とつながっていまして、福岡は緊急事態宣言が出されていますけれども、当然、緊急事態宣言が出されている11都府県とその周りの自治体というのは関連性がかなり強いですから、基本的に出されているのは11都府県だけれども、その周辺の自治体の人口の流入状況からすると、周りの自治体が同じ傾向で下がるのはありうるよなと。
増山さやかアナウンサー)そうですね。
辛坊)だからちょっと離れたところはどうだろうか、というところで私が着目したのは熊本、広島、宮城というところなのですが、こうなると11都府県からだいぶ離れていますよね。
増山)ええ。
辛坊)えー、減少傾向が東京と完璧一緒です。
増山)ああ。
緊急事態宣言の効果なのか、その他の影響なのか、科学的に論証する必要がある
辛坊)となると、これを緊急事態宣言の影響で下がったとみるのか、気候状況その他の影響で下がったとみるのか、これは本来ちゃんと分析をしなければいけない。
つまり、次に緊急事態宣言を出すか出さないかの判断……緊急事態宣言は影響がものすごく大きいですから、やっぱり出したからこれだけの効果がありましたということは科学的に論証しないと、同じ間違いを繰り返すということになります。
緊急事態宣言の効果や如何に?
右上が東京。あとは宮城、岡山、熊本。 pic.twitter.com/orl9FxaGy2— 辛坊治郎 公認【辛坊の旅N】 (@JiroShinbo_tabi) February 1, 2021
辛坊)いま目の前にある熊本の下がり方。熊本のピークは1月7日。みんな1月7日前後なんです。これははっきりしているんです、理由は。1月の三箇日はPCR検査その他に行く人が少なかったので、その人たちがどんと行ったので、みんなそこから遅れて数日間の1月7日前後がピークなのですが、そこから宮城も広島も岡山も、見事に下がり続けています。となると、いったい下がった理由はなんだったのかという分析をしなければいけないのだけれど、いまメディアの報道をみても、「11都府県はこうなりました」というデータしか出さないでしょ。
増山)そうですね。
辛坊)ということで、私としては、これだけ下がってきている理由は、緊急事態宣言とは関係ないに近いとは思うのです。ただ、政治的には、世論の大多数が「緊急事態宣言は延長した方がいい」と言っていますので、マックス延長する形で延長して、途中でやめるというのがおそらく政治的には、たぶん正解という判断をするんだろうなと思います。だから、明日2日、マックスの延長になる予定です。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)