森永卓郎に訊く~いまさら聞けない“SDGs”

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「垣花正 あなたとハッピー!」(3月3日放送)に経済アナリストの森永卓郎が出演。SDGsについて、わかりやすく解説した。

2020年12月21日、挨拶する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202012/21sdgs_award.html)

SDGsとは

SDGsとは、「Sustainable Development Goals」の略です。持続可能な開発目標というのがSDGsです。一言で言うと、「人と地球を守りましょう」という当たり前のことです。ところが、人と地球が当たり前ではないところに向かっているので、2015年9月の国連サミットでSDGsが採択され、「人類共通の目標として格差をなくし地球環境を守ろう」と呼びかけました。

2020年12月21日、記念撮影~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202012/21sdgs_award.html)

SDGsの17の目標

17のゴールを私から紹介します。「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」、「すべての人に健康と福祉を」、「質の高い教育をみんなに」、「ジェンダー平等を実現しよう」、「安全な水とトイレを世界中に」、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「働きがいも経済成長も」、「産業と技術革新の基盤をつくろう」、「人や国の不平等をなくそう」、「住み続けられるまちづくりを」、「つくる責任つかう責任」、「気候変動に具体的な対策を」、「海の豊かさを守ろう」、「陸の豊かさも守ろう」、「平和と公正をすべての人に」、「パートナーシップで目標を達成しよう」の17個です。

2020年10月26日、所信表明演説を行う菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202010/26shu_san_honkaigi.html)

SDGsがなぜいま必要か~切羽つまっている地球環境

我々の地球の環境に、いまみんなで取り組まなければならない、切羽つまっている現実があるのです。温室効果ガスをたくさん出すと地球環境が壊れます。だから減らしましょうということになっているのですが、温室効果ガスはこの10年間で1.4%ずつ増えて来てしまいました。パリ協定の目標を達成するためには、毎年約8%ずつ減らして行かなければいけないのに、逆に増やし続けていて、2019年は、前年比2.3%増で過去最悪でした。もう地球が悲鳴を上げているのです。ベネチアが水に浸かってしまったり、乾燥地域ではゲリラ豪雨が降るようになり、鉄砲水が出たりしています。アメリカでは森林火災が頻発しています。日本でも、ようやく沈下しましたが、栃木の山火事もありました。日本であれほど大きな山火事は記憶にありません。気候変動によって乾燥が進んでいるために、あんなにも火が燃え広がってしまったのです。逆に、夏にはいままでになかったような大型の台風が当たり前のように各地に被害をもたらしています。

【熊本豪雨】家屋に甚大な被害が出た球磨川流域。左上は相良橋=2020年8月3日午前、熊本県球磨村 写真提供:産経新聞社

SDGsに取り組むことは経営リスクの回避にもなる

一方では、社会の流れが変わって来て、企業のバックボーンにこの考え方がないと認められないのです。金融市場でさえ、SDGsに取り組んでいない企業は株価が下がるという現象が起きています。SDGsに取り組んでいる企業だけに投資をするというファンドもあります。そのような投資信託を買う人が増えると、そういう企業は資金が調達できて事業がうまく行きますが、そうでないと事業資金も集まらなくなるというのが、いまの現状です。好むと好まざるに関わらず、取り組まざるを得ないのです。

フロン類の適切な回収・処理に向けた国際枠組みの設立を宣言した小泉進次郎環境相(左から4人目)=2019年12月10日、スペイン・マドリード 写真提供:時事通信

広がる格差

いまいちばん問題になっているのは格差です。資産格差で言うと、世界のなかで金持ち上位26人が持っている資産は153兆円です。地球人口の半分が38億人、下から数えた38億人が持っている資産も153兆円です。26人と38億人です。また、格差は実はお金だけでなく、仕事の面白さも一部の富裕層が独占しているのです。昔は日本の企業もボトムアップでした。みんなでワイワイ言いながら会社の仕事をしていました。ところが、他のところからカリスマ経営者が来て、「お前ら俺の言うことを聞け」と言って働く者を縛り、仕事が面白くなくなってしまった。みんなで社会をつくっているのだから、ごく一部の人が、所得も仕事の面白さも全部独占する社会はおかしいと私は思います。人や国の不平等はなくさなくてはならないのです。

ハローワークプラザ静岡の職業相談コーナー。静岡県内も新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業要請などで、雇用情勢は悪化している=2020年6月15日、静岡市葵区 写真提供:産経新聞社

隣人の原理

この目標を達成するのにいちばんいい手段は、マハトマ・ガンディーが唱えた「隣人の原理」だと思います。ガンディーは「近くの人がつくった農産物を食べて、近くの人がつくった洋服を着て、近くの人たちが建てた家に住もう」と言いました。そうやって1つの集落でみんなで支え合えば、大きな格差は生まれないのです。顔が見えないと「誰が貧乏になろうが、飢えてしまおうが知ったことではない」と思ってしまうのが人間なのです。でも自分の周りにいる人であれば助けるのです。

2021年2月19日、テレビ会議に出席する菅総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/actions/202102/19tv_kaigi.html)

みんなで目標に向かう

SDGsの取り組みは多様で、難しい内容でもあります。大切なのは、みんなで目標に向かうということです。みんなでやらないといけません。みんなで格差をなくし、地球環境を守りましょう。

番組情報

垣花正あなたとハッピー!

FM93/AM1242ニッポン放送 月~木 8:00~11:30

番組HP

ふつーの男・沖縄県宮古島出身の垣花正がお届けする、ニッポン放送が自信と不安をもってお送りする朝のワイド番組!レギュラー・ゲストとのコンビネーションもバッチリ!今の話題をハッピーにお届けしていきます!


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