東京都医師会理事で「大橋眼科クリニック」院長の島﨑美奈子氏が1月28日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。花粉症の季節に気をつけるべきことについて解説した。
新行市佳アナウンサー)今回は花粉症についてお伺いします。最近はコロナの影響もあり、こまめな換気を心がけているので、花粉症やアレルギーを持っている方にとっては大変な時期になりそうですね。
島﨑)コロナの感染対策として換気は大変重要なのですが、その際にもう1つ注意していただきたいのが、PM2.5です。PM2.5はとても小さい粒子で、特定の物質を表すものではありません。髪の毛の30分の1程度の粒子で、肺の奥に入り込みます。工場から出る煤煙、自動車の排気ガス、火山や土壌由来のものなど成分はさまざまで、例年は冬から春にかけて濃度が上昇する傾向にあります。気象庁が飛散状況を毎日アップしていますので、参考にしていただければと思います。
新行)花粉症について、自分なりの対策を持っていらっしゃる方が多いと思うのですが、PM2.5にはどんな対策をすればいいでしょうか?
島﨑)いまは皆さんマスクをしていらっしゃるので、マスクが大方の対応になると思います。あとは、寝具などを長い間外に干しておくと、PM2.5が付着してしまいます。飛散量の多い日は、できるだけ寝具は干さないほうがいいと思います。
新行)花粉が多く飛んでいると目がゴロゴロしてしまって、「目を洗いたい」という気持ちになってしまうのですが、洗ってもいいのでしょうか?
島﨑)よく、「目を水道水で洗っていいですか?」というご質問を受けますが、水道水には塩素が入っていますので、基本的にはお勧めしていません。目の表面には涙の膜、ティアフィルムというものがあり、目の表面の保湿や免疫の役割を担っています。帰宅して顔を洗ったあとに、市販の洗眼剤で1日1~2回程度目を洗うことはマイナスにはなりませんが、頻回の洗眼はかえって目の表面にダメージを与えますので、あまりお勧めしていません。
新行)目薬などを使うのがいいのでしょうか?
島﨑)基本的には、眼科や耳鼻科を受診して、それぞれの患者さんに合ったお薬を処方していただくのがいいと思います。
新行)目薬を使う場合、いつまでに使い切ればいいのか悩んでしまいます。どうすればよいでしょうか?
島﨑)一般的に、患者さんが来院されたときに医療機関で処方される保険薬には、保存剤や防腐剤が入っていますけれども、開けてから1ヵ月で使い切っていただくようにお勧めしています。市販薬の場合は、先日メーカーに問い合わせたところ、およそ3ヵ月以内に使って欲しいということでした。有効期限や使い切りの記述に関しては、お薬の箱のなかに入っている薬剤の添付文書を確認していただきたいとのことです。
新行)なかなか使い切れず「もったいない」と思ってしまいますが、やはり使用期限は守ったほうがいいですよね。
島﨑)古いお薬を使用して目に悪い症状が出ることもありますので、注意が必要ですね。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます