柴咲コウによって広まった「ヘアドネーション」とは
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黒木瞳がパーソナリティを務める番組「あさナビ」(ニッポン放送)にNPO法人「JHD&C(ジャーダック)」代表理事の渡辺貴一が出演。髪の毛を提供する「ヘアドネーション」について語った。
黒木)今週のゲストはNPO法人「JHD&C」代表理事の渡辺貴一さんです。髪の毛を提供する方、ドナーさんというのは女性が多いですよね。
渡辺)そうですね。ほとんど女性です。
黒木)10代の方もかなりいらっしゃると聞きましたが。
渡辺)3年くらい前からでしょうか、急激に増え始めました。子育て世代のママさんたちや、30代くらいの方たちがご寄付くださることで、「ママどうしたの、短く切っちゃって」という形でお嬢さんやご家族の方が聞いて、「寄付したんだよ」とお答えになったことがお子さんたちに広まって行ったのではないかと思っています。いまでは4割が10代からの寄付です。いちばん多いのは夏休みの時期ですけれども。
黒木)10代の子たちの髪の毛だと、私たちよりも元気な髪の毛だから。
渡辺)そこを気にされる方は多いのですが、ほとんど関係ないです。
黒木)私の場合は、娘が先にやると言っていて、それで知りました。約12年前ということですが、柴咲コウちゃんがヘアドネーションをやられて、その影響も大きかったのではないですか?
渡辺)その辺りが転換期でした。最初は私1人で淡々とやっていたのですが、柴咲さんが寄付していただいたあとくらいから、知名度も急に広がりました。おそらく、もともとチャリティに興味のある方たちの間で広まり始めたのだと思いますが、彼女が寄付してくれたことで、あまりチャリティに興味のない普通の人にも広まったのではないでしょうか。それを起点に、協力してくださる美容師さんも一気に増えた印象があります。2016年くらいだったと思います。
黒木)いま美容師とおっしゃいましたが、ヘアドネーションをする美容室で切った方がよいのですよね。
渡辺)そんなことはないです。行きつけの美容室でいいと思います。
黒木)行きつけのところでよろしいのですか?
渡辺)長い髪の毛を急に短く切るというのは、技術的にも、ドナーさん的にも緊張感がありますし。
黒木)美容師の方にも緊張感がありますよね。
渡辺)あると思います。そこは同じだと思いますので、初見の美容室に行かれるよりは、髪質を知ってくださっている美容師さんに相談することを私たちはおすすめしています。そういうところがない場合は、「賛同サロン」というところで調べていただいて、そこで相談することもできます。まずは行きつけ、もしくは何回か切っていただいた人に相談していただきたいです。
黒木)直接「JHD&C」の方にお送りすればよろしいのですね。
渡辺)そうです。
黒木)出版予定の『31cm』という書籍にも、「写真を撮ってください」と書いてありましたが、「どういう方が寄付をしたのか」がわかることが大切なのかなとは思いました。
渡辺)記念のようにお考えの方もいます。また、お嬢さんのなかには、生まれて初めて切った毛をドネーションするという方もいます。人のために使うというのは、髪の筆のような昔からの風習が、新しい風習として変わり始めているような気もするのです。それはそれで記念としてお子さんが大きくなったときに、「あなた、これを人のためにやったんだよ」ということでもいいのかなと思います。
渡辺貴一(わたなべ・きいち)/NPO法人「JHD&C(ジャーダック)」代表理事
■NPO法人「JHD&C(ジャーダック)」代表理事。
※特定非営利活動法人「Japan Hair Donation & Charity」
■1971年、宮崎県生まれ。
■日本初のカラーリスト(ヘアカラーのスペシャリスト)として、1996年から活動開始。
■2008年、THE SALON(現・KNOW HAIR STUDIO)を設立。
■2009年、NPO法人「Japan Hair Donation & Charity(ジャーダック)」を設立。脱毛症やがんの治療などで「頭髪に悩む子どもたち」のために、ヘアドネーションによる献髪のみでつくったメディカル・ウィッグを無償提供。
<ヘアドネーション>
■寄付された髪の毛から作ったウィッグを、 脱毛症や乏毛症、小児がんの治療など、何らかの事情で髪に悩みを抱える子どもたちに提供する活動のこと。ジャーダックでは、寄付できる髪の毛の長さを「31センチ以上」と規定。
<NPO法人「JHD&C(ジャーダック)」>
■2009年に2人の美容師が設立。
■寄付された髪だけでつくったメディカル・ウィッグを、髪に悩みを持つ18歳以下の子どもたちに無償で提供する「ヘアドネーション」の活動を日本で初めて開始したNPO法人。
■初の監修本『31cm』が2021年6月に発売予定。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳