コロナ禍で増える「マスク頭痛」には「ストン体操」が効果的
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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が6月9日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。マスクをすることによって起こる「マスク頭痛」について解説した。
飯田浩司アナウンサー)医師で医療ジャーナリストの森田豊さんに、自粛生活で気になる健康問題というテーマでお話を伺います。今回はマスク頭痛について。あまり聞いたことがないのですけれど、どういうものなのですか?
森田)マスクによって引き起こされる頭痛が「マスク頭痛」と呼ばれつつあるのです。最近多くなっています。
マスク頭痛の仕組み
飯田)マスクがどういう仕組みで頭痛につながるのですか?
森田)マスクをすると、耳掛けのゴムが両側の耳に固定されます。そうすると次第にこめかみの筋肉に負担がかかり、顎の筋肉にも負担が及んで、凝ってしまうのです。最終的には、首の左右にあって、頭から鎖骨にかけて縦に走っている胸鎖乳突筋という筋肉に凝りが生じてしまいます。胸鎖乳突筋はご存知ですか?
飯田)まず漢字が思い浮かびません。
森田)首の左右にある、非常に太い筋肉なので、触ってみればわかると思います。頭から鎖骨にかけて、縦に走っている筋肉です。ここに凝りが生じてしまうことによって、マスク頭痛が起こるのではないかともされています。あと、マスクをしていることで表情を気にしなくなりますので、1年、顔にある表情筋を使っていないと思います。
飯田)なるほど。
森田)顔の筋肉への血液の流れも滞ってしまうと、顔の筋肉の凝りも出ると考えられています。ですから、首や顔の筋肉全体に凝りが生じてしまうことで、頭痛、それも緊張型の頭痛が生じることが、マスク頭痛ではないかと考えられているのです。
マスク頭痛には「ストン体操」が効果的
飯田)どのように対処したらいいのでしょうか?
森田)人との距離を十分に保てて、感染の心配がないところでは、1時間に何分間でもいいのでマスクを外すことが大事です。そして凝りが原因ですので、凝りをほぐすように「ストン体操」というストレッチをしてください。両肩を頭の方に「ギューッ」と上げたあと、「ストン」と落とす。
飯田)首をすくめるような感じ。
森田)もう1回、ギューッと上げたあとにストン。血液が首周りなどに流れますよね。あと、胸鎖乳突筋をマッサージしてあげる。
飯田)さするのですね。首筋、脇のところを。
森田)こめかみの筋肉や表情筋を自分でマッサージするのもいいです。
飯田)他にマスク頭痛の原因になることは何でしょうか?
森田)片頭痛持ちの方は、マスク生活が長くなることによって片頭痛が悪化することがあります。マスクを付けていると、自分が吐いた息をまたすぐに吸うことになります。結果的に二酸化炭素を多く含んだ空気を吸うことになるので、体のなかに二酸化炭素が多い状態になってしまって、これが片頭痛を悪化させるのではないかとされているのです。頭の骨の周囲には、脳に酸素や栄養を送るための血管が張りめぐらされているのですが、二酸化炭素はこれらの血管を広げる働きがあるので、片頭痛が悪化するのではないかとされています。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます