東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が7月5日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。東京オリンピック開催による新型コロナウイルス感染拡大のリスクについて解説した。
東京都医師会のアンケートでは、開催中止が30%、無観客開催が38.3%
飯田浩司アナウンサー)オリンピックの開会式が7月23日です。東京都の新規感染者数は、前の週と比べると高いということが続いています。これは深刻に捉えた方がいいですよね。
尾﨑)そう思います。私は早めに観客を入れるのかという見直しを、もう1度再検討した方がいいのではないかと思っています。
(編集部注:放送は7月5日時点で、無観客開催の決定前)
飯田)再検討と言うと、基本的には無観客についてもう1度検討するべきということですか?
尾﨑)いまの状況を考えると、観客を入れるのはかなりリスクが高いと思っています。私どもは地区の医師会、大学の医師会、都立病院の医師会など60の医師会から構成されているのですが、そこにすべてアンケートを取りました。その結果、30%は「開催をやめたほうがいい」、そして38.3%は「やるのなら無観客でなくては無理だろう」ということをおっしゃっています。私どもとしては、「オリンピックを機会に感染が拡大してはいけない」、それから「開催することによって、通常の医療が圧迫されてはいけない」、この2つは守って欲しいという意見書を出させていただいています。そういうことを考えますと、観客を入れて動かすというのは、かなり厳しいのではないかと判断しています。
現ルールで選手等を管理することは難しい
飯田)選手やそれに関係する人たちは、ある意味、厳格なバブルのなかにいますが、「海外から来るマスコミやスポンサーを厳格に管理できるのか」と言われていますけれど、その辺りはリスクとしてまだ残っているということですか?
尾﨑)そうですね。個室であればレストランを利用できるとか、レンタカーを使えるとか、日本特有のサービス精神で緩んでいる部分があります。GPSで追跡できると言っても、スマホをどこかに置いてしまえばわからない。
飯田)そうですね。ホテルの部屋に置いて出てしまえばわからない。
尾﨑)ですから協力してくださる方々が、きちんと守っていただけるのかどうかということも含めて、ルールには穴があるのではないかと危惧しています。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます