ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月20日放送)にジャーナリストの有本香が出演。熱海の土石流災害について解説した。
岸防衛大臣、熱海の土石流現場を視察
岸信夫防衛相は7月18日、静岡県熱海市伊豆山の大規模土石流現場で自衛隊の捜索活動を視察した。
飯田)発災は7月3日の朝10時半ごろということで、2週間以上が経過しました。いまも全力で活動中ということです。
有本)まだ10人ほどが行方不明ですものね。飯田さんは現地にいらっしゃいましたよね。
飯田)発災の2日後くらいですか。
有本)私も発災から3日くらい経ったときに、熱海まで行きました。重機を入れられないということが大変でね。
飯田)急峻なところだから、正面から入れられないのですよね。
有本)手作業と言いますか、泥流のなかを腰まで浸かって皆さん、捜索されていました。
飯田)流れ込んだ土砂を見ると、色も見かけたものとは違うし。
土石流の起点となった盛り土問題~人災という側面はあるのか
有本)静岡県の難波副知事が土木の専門家でもいらっしゃるので、土石流の起点となった盛り土が、「工法として正しくないのだ」ということは当初からおっしゃっていました。それから産業廃棄物の問題です。また、そこから数百メートルは離れているのですけれども、同じ斜面にソーラーパネル発電をしていた地帯がありました。そこへの通路など、いろいろなものをつくろうとしていた。そもそも盛り土が、水抜きできるような形にされていなかった。この辺りは今後、複合的に検証されて行くのだろうと思います。責任の所在はどこにあるのか。これは自然災害だったと言えるのか。人災という側面があるのかどうかということを、十分に検証して行く必要があります。
記憶にないくらい大きな土砂崩れ
有本)伊豆半島で暮らしていたことのある人間にはわかりますが、この時期になると、土砂崩れはよくあります。よくあるのですが、あそこまでの規模のものは、私は子どものころにあそこで過ごしましたけれども、記憶にないですね。
ソーラー事業に待ったをかける必要がある
有本)日本はだいたい、集落の後ろに山を背負っていて、急斜面のところが多い。そこをおかしな形で伐採すると、このような土砂崩れを誘発しやすくなるわけです。おまけに、そこでソーラー事業をやろうというのは、そもそも無理があります。いま一生懸命に太陽光発電を増やして行こうとしているではないですか。
飯田)CO2を削減するのだと。
有本)そういう流れがあるけれど、今回のことで待ったをかけて貰わないと困りますよね。
飯田)地元で条例をつくるということで、対応して来たわけですけれども、それで足りるのかという。
有本)「国の法律による規制がないと厳しい」と地元の人は言っています。それはそうだと思います。既に伊豆半島ではソーラー事業をやっているところが見受けられるのだけれども、一方では激しい反対運動も起きているのですよ。
飯田)地元は相当反対しているところが多い。
有本)かなり多いですね。今回のことで私も認識不足だったのだけれども、自分の実家があった場所なのに、「あそこも、ここも」という感じです。これは立ち止まって貰わないと、大変なことになると思います。
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