子どもの新型コロナウイルス感染~親からの家庭内感染がほとんど
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東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が7月26日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。子どもと新型コロナウイルスについて、また、開業医におけるワクチン接種の現状について解説した。
子どもへの新型コロナウイルスの感染状況
飯田浩司アナウンサー)新型コロナウイルスについてですが、お子さんたちの間での感染状況というのはいかがですか?
川上)いま少し増えています。ただ、多くは親御さんからの感染で、子どもがどこかで拾って来るというのはあまり多くはないようです。
飯田)学校で子ども同士で感染するというよりは、親からということなのですね。
川上)そうですね。子ども同士もないわけではないようですが、家庭での濃厚接触という形で見て行くと、親御さんの感染も相当数いらっしゃるようです。
飯田)子どもの場合ですと、感染したときの症状なのですが、やはり無症状や軽症が多いのですか?
川上)国内の報告ではまれに重症化しているという報告もありますが、多くは無症状かごく軽症と聞いています。
飯田)ワクチンということになると、まずは親御さんのワクチン接種からになりますか?
川上)高齢者のワクチン接種が進んで、いまは主に50代の方たちが重症化しています。感染者数の多さでは20代です。ですので、まずは親御さんたちから感染予防をするということが大事だと思います。
学校や幼稚園、保育園関係者へのワクチン接種の現状
新行市佳アナウンサー)そうなると、学校や幼稚園や保育園など、関係者の皆さんのワクチン接種はこれからどのようになって行くのでしょうか?
川上)国は子どもに関わる職域の方の接種を進めるようにと言ってはいますが、自治体単位でどのような順番でやって行くかは異なるので、なかなか難しい状況だと思います。
50代以下の人も積極的に接種を受けて欲しい
飯田)いま、高齢者の方の接種までは進んで来ている。そうすると、50代や40代の方々、次の予備軍のような人たちが重点ということになるのですか?
川上)なかなかその世代の人たちは、「どうせかかっても軽いのでしょう」ということで、ワクチンの予約を取ってくれない方もいらっしゃるのですが、職域接種も始まりましたし、地域のワクチン接種も私たちはかなり頑張っているので、ぜひ予約を入れて欲しいのです。
飯田)予約が入らないと、動向を掴むこともできないという感じになりますか?
川上)焦らず根気よく予約をしていただければ、必ず打てますので、どうか諦めないで欲しいと思います。
職域接種から切り替える人が増え、開業医での接種に集中してしまっている
飯田)自治体によっては、ワクチンそのものが足りないということも一部報道されていますが、現場をご覧になっていかがですか?
川上)確かに現場ではいま、開業医が使っているファイザー社のワクチンに集中してしまっています。というのも、職域接種を積極的に行うという形でスタートしたものの、すべての職域に配布されていません。その影響で、会社で受けようかなと思った人も、やはり地域で早く受けたいという希望が出て来てしまっているので、その辺りがいま混乱している理由だと思います。
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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます