脳神経外科医がススめる「頭痛日記」の効果
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東京都医師会理事で「水野医院」院長の水野重樹氏が8月18日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。頭痛の諸症状と対処法について解説した。
頭痛の対処法
飯田浩司アナウンサー)先生はご専門が脳神経外科ということですが、脳の病気の前駆症状も含めて、心配になるのが頭痛です。しかも、それが長く続くと心配になりますよね。頭痛で来院する方もいると思いますが。
水野)頭痛持ちの人は多くいます。頭痛になると市販薬を飲んでいる方が多いのですが、「いつもと違う頭痛だ」という場合にいらっしゃる方が多いですね。もちろん、頭痛が初めてという人もいらっしゃるのですが。
飯田)いつもと違う頭痛だと。
水野)その場合には、その頭痛が緊急性の疾患と関係があるのかどうかをチェックします。いろいろと神経学的な所見を見て、緊急性がなければ、「これは緊急性がないものです」というお話をして、患者さんにまずは納得していただきます。その時点で患者さんも落ち着きます。MRIやCTスキャンという検査機械がありますけれども、頭痛のみではその検査に異常は出ないのです。
飯田)そうなのですか。
水野)もちろん脳腫瘍があれば、頭痛の原因になっていることはありますけれども、一次性の頭痛に関しては、検査に異常は出ません。そういうことを説明させていただいて、「緊急性はありませんが、度々頭痛があるのであれば、一度検査をしておくといいですね」と検査を勧めることもあります。
頭痛の代表格は「緊張型頭痛」と「片頭痛」
新行市佳アナウンサー)私も頭痛に悩まされていて、脳神経外科を受診したことがあります。脳の写真を撮ってもらって、脳には異常がないことがわかったのですが、どういうときに頭痛になるのかということを探って行ったら、「もしかしたら気圧が関係しているのではないか」ということが判明しました。頭痛の原因がわかって安心したのですが、頭痛の原因はその他にどんなことが考えられるのでしょうか?
水野)いちばん多いのは「緊張型頭痛」と言われるものです。緊張型頭痛というのは、アナウンサーの方もそうですが、同じ姿勢で、しかも神経的に緊張する状態が長く続く場合に起こります。同じ姿勢を続けることによって、肩などの筋肉がコリコリになるようなものが緊張型頭痛です。お家に帰られて、リラックスしてお風呂に入ると頭痛が一気に取れるというものです。
飯田)なるほど。
水野)2番目に、頭痛としては緊張型頭痛よりも痛みが強い、ドクドクしたりズキズキする感じで、脈を打つような頭痛。これが「片頭痛」ですね。
「頭痛日記」を書き、迅速に対処する
水野)代表格がその2つで、人によっては、2つが混ざっている人もいらっしゃいます。そのときどちらが優先して強いのか、またはどのタイミングで起きているのかを聞きます。そしてご本人には、そのタイミングをよく分析していただき、「頭痛日記」を書いていただきます。
飯田)頭痛日記ですか。
水野)スマートフォンのアプリなどもいろいろ出ています。頭痛日記を書いていただくと、どういうタイミングでどのような頭痛が起こるかがわかり、早めに対処することができます。天気予報に連動するような方は、天気が崩れそうなときに、早めにお薬を飲むということも大事かと思います。ただし、頻繁に頭痛が起こる方は、近くの先生にご相談いただきたいと思います。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます