患者さんと相談しながらすべてを決める「訪問診療」

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東京都医師会理事で「水野医院」院長の水野重樹氏が8月19日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。訪問診療について解説した。

患者さんと相談しながらすべてを決める「訪問診療」

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

「訪問診療」と「往診」の違い

飯田浩司アナウンサー)水野医院では、平成3年の開業当初から、当時は珍しかった訪問診療を行っていると伺いました。「訪問診療」「在宅医療」など、いろいろな言葉がありますけれども、往診とはどう違うのでしょうか?

水野)基本的に診療報酬体系のなかで、往診というのは「患者さんにお願いされて行く」ということです。患者さんと相談しながら訪問する日にちを決め、「こういうことをやろう」という形でやるのが訪問診療になります。

訪問診療のメリット

飯田)訪問診療は定期的に行くというイメージですか?

水野)そうです。

飯田)家にいて受けるメリットはどういうところですか?

水野)サッカーで言えば、ホームアンドアウェイのアウェイに当たるわけです。そういう意味で、患者さんの家に行くと、こちらが遠慮する感じもするのですが、患者さんがどんな形で生活をされているのか、患者さんがお家のなかでどのような立場でいるのかなどを知ることができるため、患者さんの人生観に一部触れるような、そんな感じを持ちます。

飯田)生活習慣などがわかると、予防の仕方もまた変わって来るということですか?

水野)おっしゃる通りです。

患者さんと相談しながらすべてを決める「訪問診療」

新行市佳アナウンサー、水野重樹氏、飯田浩司アナウンサー

診察する上で大切な患者の日常の情報

飯田)診断して、話を聞いて投薬をするという、それだけがお医者さんの役割ではなく、患者さんが病気に立ち向かう、人生そのものを引き受けるようなところがあるわけですよね。

水野)あまり大それたことを言うつもりはありませんが、我々医師は、患者さんの人生の一部を担う部分もあるので、患者さんがどのような生活をしているのかということは、診察する上で大切なことです。外来でいらっしゃる方も同じです。ただ、あまりしつこく聞くと、個人情報という話になってしまうかも知れません。「言いたくなければいいですから、できるだけ教えてください」ということはお話しして伺っています。大切な情報で参考になるのです。

アドバンス・ケア・プランニング~人生の最終段階における医療をみんなで話し合う

新行市佳アナウンサー)どういう病気や症状の方が訪問診療を受けられることが多いのですか?

水野)脳卒中の患者さんもいらっしゃいますが、神経難病の方が多くいらっしゃいます。神経難病の方は、最初は通院できていても、徐々に通院ができなくなります。ホーキング博士が罹患されていたような、ALSという病気がありますが、最近では、患者さんに病名を伝えて、最終的に人工呼吸器をつけるかつけないかというところまで迫ります。

飯田)最終的に。

水野)あるとき突然、呼吸が、あるいは食べ物が詰まるような形で息が止まることがあります、というお話をしておくと、実際にそういうことが起こった場合でも、慌てないで済みます。いまは、ご家族の方にも、そういうお話をします。

飯田)この番組でも何度も取り上げて来ましたけれども、人生会議で、みんなで「この先どうするのか」ということを考える。それは「いまあるこの生をどう生きるか」ということを考えることですものね。

水野)命の重要性を改めて見直すという機会ですよ。アドバンス・ケア・プランニングというものなのですが、そういう面では、ガンであればガンの告知をしますし、告知をしたあとのフォローアップも大事な場ではないかと思います。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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