東京五輪関係者から新型コロナの感染が拡大したということはない
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東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が8月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナ新規陽性者の現状について解説した。
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【東京五輪2020 閉会式】閉会式が行われている国立競技場に上がる花火=2021年8月8日午後、東京都新宿区 写真提供:産経新聞社
40~50歳の重症化が増えている
飯田浩司アナウンサー)高齢者の方のワクチン接種が進んで、高齢の方の重症化や感染者は少なくなっていると言われていますが、実際のところはどうですか?
猪口)中等症、重症の方は割合としては少ないと思いますけれども、入院している患者さんは3500人を超えておりますので、トータルでは、かなりの入院患者数になっています。60代以下の感染者は95%くらいなのですけれども、入院している方で言いますと、50代以下が80%、最も重症の患者さんは50歳以下の方たちで、約60%以上です。
飯田)50歳以下が。
猪口)ワクチンが進んで高齢者の方たちの感染と重症化は少なくなっていますが、40代~50代の方たちの感染が増えています。その方たちは20代~30代に比べて重症化しやすいので、重症の患者さんも増えているという状況です。
(※編集部注:2021年8月10日放送時点の情報)
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猪口正孝氏、飯田浩司アナウンサー
オリンピック関係者から感染が拡大したということはない
飯田)「オリンピックの関係者でクラスターが出た」ということが大きく報じられました。それが独り歩きするような形で「オリンピックで感染が拡大した」などと言われたりもしますが、実際、数字で見るとどうですか?
猪口)いろいろ調べていますけれども、東京のいろいろなところのスクリーニングと比べても確率は低いですよね。オリンピック関係者が特に大きなクラスターをつくったとか、感染の確率が高いということはないと思います。
医療人としても、パラリンピックが成功するように応援したい
猪口)医療の立場としては、感染がバブルのなかに入ってクラスターなどをつくらないようにするということはもちろんですけれども、一方で、パラリンピックというものの重要性も医療人としてはよくわかっているつもりです。やるのであれば、パラリンピックで感染が拡大するということがないように、成功するように応援したいと思います。