高橋洋一「国債費増にビクビクすることない」 ~来年度予算概算要求

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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月8日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。2022年度予算の概算要求について解説した。

高橋洋一「国債費増にビクビクすることない」 ~来年度予算概算要求

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

来年度予算の概算要求~一般会計111兆6559億円、4年連続で過去最大

財務省の発表によると2022年度予算案の編成に向け、8月末までに各省庁が提出した概算要求を集計した結果、一般会計の要求総額は111兆6559億円となり、4年連続で過去最大となった。

飯田)「過去最大」というところを強調する報道も多いわけですが。

高橋)こういう名目値というのは、だいたい過去最大ですけれどね。

国債費が6兆余り増加~補正予算で使える

飯田)内訳を見ると、厚労省の要求が、社会保障費の増加で33兆円辺りになったということが報じられていますが、ポイントはどこにあるとお考えですか?

高橋)このなかだと国債費の話なのだけれど、要するに今年度の当初予算より6兆円余り増えて、30兆。だから、24兆が30兆になったのは大きいということなのですが、そんなに大した話ではないのです。これが大きくなったというのは、強調されると思いますが。

飯田)利払いや償還など。

高橋)こういうものを計算するときに、予定利回りで計算するのです。その予定利回りはたぶん、高い予定利回りで計算するから、最初から余るような感じになっているのです。はっきり言えば、「財源づくり」というやつで、これを要求するのは、財務省のなかの理財局から主計局に要求するという内輪でのものです。私は要求する係をやったことがあるのですが、真面目に計算したら「もっとたくさん要求しておけ、積んでおけ」と言われたことがあります。

飯田)なるほど。

高橋)あとで余るのはわかるし、補正予算のときに使えるからとか。

飯田)補正予算の財源として使う。

高橋)よくやります。だから、あまりビクビクすることはないのです。ずっと割増で要求しているから。

利払いの半分以上は返って来る

高橋)増えると大変だと言うのだけれど、日本銀行はたくさん国債を持っています。日本銀行が国債を買ったでしょう。そうすると、日本銀行に利払いするのだけれど、日本銀行は納付金で全部返すのですよ。

飯田)利払いを受けるということは収入があるということだから、決算で黒字になったら。

高橋)黒字になるのです。あれは日銀券と言って、お札を刷って買っているわけだから、お札は無利息でしょう。だから、必ず収入になるのです。そうすると、増えたように見えるのだけれど、日本銀行が半分以上の国債を持っているから、実は利払い費の半分以上は返って来るという、そういう世界です。安倍さんからも、「たしかに高橋さんの言う通りだったよ」と言われました。「2年総理をしてよくわかる」と、「1年だとわからない」と言っていました。

飯田)1年だと気付かないまま終わってしまう。

2020年度の予算の30兆が使い残し~なぜコロナ対策に使わなかったのか

飯田)他方でいろいろ報道されているのは、2020年度の国の予算のうち、30兆円くらいは使い残しがあるではないかということです。

高橋)医療の体制強化の話というのも余っていたし、時短要請をしたときに協力金を払わなければいけないでしょう。地方自治体が払うのだけれど、地方自治体への交付金は、地方創生金というのがあるのですが、それをほとんど使わなかった。コロナ専用病床が山ほどできているのだろうと思っていたけれど、それもないと。しかも時短要請の協力金もあまり出なかった。「なぜだ」と思いました。肝心なところに使わないのだなと。

飯田)中央は直接の指揮命令ができないという立て付けに、特に感染症法上なっているから、お金をつけるしかない。

高橋)お金をつけて、でも予算だから、まさかこれを使わないことはないだろうと思いつつ、使えという意味で出したのに、使わなかったということには驚きました。

飯田)今回またそれが理由になって、「では補正はあまり大きくしない方がいい」というような議論が出て来てしまうのは、何か間違っているような気がしますね。

高橋)よくわからないですね。

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