衆議院選 ~10月26日公示、11月7日投開票か
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月22日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。政府が10月4日に臨時国会召集を決定したことによって予想される衆議院選のスケジュールについて解説した。
臨時国会、10月4日に召集決定~衆院選は10月21日以降の見通し
政府は菅総理大臣に代わる、新しい総理大臣の指名選挙を行う臨時国会について、10月4日に召集することを閣議決定した。これにより、次の衆議院選挙は衆院議員が任期満了する10月21日以降に行われる見通しとなった。
飯田)総務省によると、衆議院議員の任期満了日以降に衆議院選挙が行われれば、戦後初めてのケースだということです。
自民党総裁選の際に出ていたスケジュール
高橋)自民党総裁選の日程が出たころに、このスケジュールは言われていました。
飯田)そうですよね。任期を踏み越えて行くのではないかという話。
高橋)予想通りなのですが、このようにハッキリ出ると、どのようなスケジュールなのか大体わかりますね。10月4日に国会召集でしょう。その前週である9月29日の水曜日に総裁選の投開票が終わる。木曜・金曜には、いろいろな組閣の話のニュースが山ほど出て来ます。
飯田)誰が内定、というような。
高橋)党役員人事はその週末にやるかも知れないし、組閣の噂がたくさん出るでしょうね。10月4日になるとそれが紙面に出て、そのあと組閣になるのでしょう。どういう国会スケジュールかと言うと、10月4日の月曜日からその週いっぱいはやるのが普通でしょうね。所信表明、その他諸々をやって。
飯田)所信表明をやると、それに対して各党の代表質問という形になります。
高橋)それが8日くらいに終わる。
衆議院選~10月26日公示、11月7日投開票か
飯田)4日に召集して、大体1週間。
高橋)例えば8日に解散してしまうとすると、いろいろな規定があるのですが、こういう流れだと30日以内に国会というか、衆議院になるのです。予定としては11月7日の投開票。これが赤口の日です。12日以上、公示まで期間を取らないといけないのです。そうすると10月26日公示というスケジュールが簡単に出て来ます。
飯田)10月26日公示。
高橋)10月26日は大安なので、大安に公示すると。それで11月7日の赤口のときに総選挙・投開票というのが普通のスケジュールですね。10月4日という国会召集日から逆算すると。
飯田)逆算すると。
高橋)逆に言えば、11月7日から逆算してみてもこうなるのです。スケジュールは全部決まっている。1つ決まると芋づる式にみんな決まってしまうようなスケジュールですね。9月29日に総裁選の投開票をすると決まったときに、ほとんどスケジュールは決まっていたのだと思います。そうすると、その前の9月30日に「緊急事態宣言の解除」ということになる。
すべてが連動しているスケジュール~投開票の前には新型コロナの感染者数も減少
飯田)そんな話もきょう(9月22日)の毎日新聞の一面に掲載されていました。
高橋)すべてが連動して決まっているという気がします。11月7日の投開票前くらいには、ワクチンをほとんどみんな打っている、とかね。そういう事情も込みで。
飯田)希望者は大体みんな打っている。
高橋)そして感染者数も少なくなる。少し上がる確率もありますが、少なくとも、いまより悪くはないでしょうね。そういう予想もできます。
飯田)公選法の規定で、「国会閉会の日から24日以降、30日以内に選挙をしなくてはいけない」ということが決まっていて、ある程度、公示までに時間差を付けなければならないということも考えると、8日には締めなくてはいけない。そうすると26日に公示になると。首班指名の国会のなかで、少し取り沙汰されていた「補正予算をどうする」という話は、日程的に難しい。
誰が新総裁になっても緊縮には向かいづらい
高橋)難しいですよね。総選挙が終わったあとに、すぐ国会を開かなくてはいけないでしょう。そのときにやるのではないですかね。
飯田)では11月半ば以降。
高橋)所信表明を仮にするとすれば、そのときにある程度の規模感は出るし、そのあとに解散総選挙ですから、いろいろな人がいろいろなことを言うでしょう。それがあとで補正予算に反映されるという形ではないでしょうか。財務省的には、嫌でしょうけれどね。先に補正予算を決めておいた方が、枠が決まるでしょう。選挙になるとどのように膨らむかわからないではないですか。
飯田)情勢によっても膨らみ方は変わって来る。
高橋)それはそうでしょうね。でも、そういう意味では、誰が新総裁になっても緊縮的な話は出にくいですよね。補正予算が何もないとか、そういう話は出にくいと思います。
飯田)何らかの形で編成をしなければ。
高橋)そうでしょう、いくら何でも。30兆円規模だと言っている人もいるし、そういうことに引きずられる確率が高いです。
消費を上げるために、給付金をどこまで広げるか
飯田)その辺で、与野党各党からさまざまな政策も出て来ています。公明党は18歳以下のお子さん1人当たり、10万円の給付を柱とする政策。
高橋)お子さんだから、予算的には大した話ではないので、それは織り込み済みでしょう。もう少し広くやるかやらないかが政策議論になるのではないでしょうか。「減税しない」ということははっきりしているので。そうすると、消費が落ちているので、給付金をやらなくてはならない。
飯田)そうすると、給付金的な。
高橋)そこが焦点になると思います。それをどこまで広げて行くか、とかね。
飯田)2020年にやった、1人当たり10万円の一律給付というものまで。
高橋)可能性はあります。これからの自民党総裁選と、次の衆議院選挙の期間で決まって来る話ですね。
コロナ禍でも日本は先進国のなかで失業率が低い方~安倍政権は歴代政権で最も雇用をつくった
飯田)他方、野党ではアベノミクスの総括のようなものを、立憲民主党が9月21日に出して来ました。マクロ政策をどうするのだというところで。
高橋)マクロ政策は雇用確保だから、別の意味で考えてみましょう。少なくともアベノミクス、安倍さんは、歴代政権で最も雇用をつくりました。そのあとコロナがあったから、割り引いて考える必要があるでしょうけれど。マクロ政策から見れば、失業率を考えると、コロナ禍でも日本は先進国に比べて低いので、最もいいか、2番目という成績になります。でも立憲民主党はそういう話を書きません。「実質賃金が」と言うでしょう。
飯田)実質賃金が、などと言いますね。
高橋)雇用量の方が重要なのですけれどね。そこは言わないのです。
飯田)それはアベノミクスの初期にも言われていたことで、最初に雇用が伸びるときは非正規から伸びるから、賃金の平均は下がるのだと。
高橋)少し下がります。それよりは雇用の方が重要なのです。雇用が伸びるということは、いままで給料をもらっていない人ももらえるようになる。それがいちばん重要なのです。平均値よりは雇用の絶対量の方が重要だから、失業率は雇用量で見るのが通常なのです。でも野党の人は、そうすると「安倍さんが歴代政権トップ」と言わざるを得なくなるから、それは言えないですよね。
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