コロナ禍で変わった商業地の存在価値 ~地価の上昇率が減少
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月22日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。公表された都道府県地価調査について解説した。
都道府県地価調査~コロナ禍で商業地の上昇率が減少
全国の土地の価格を調べた「都道府県地価調査」が公表され、都心部と周辺地域の「東京圏」の地価の平均は、住宅地が2年ぶりに上昇に転じた。一方、商業地は新型コロナウイルスの影響が色濃く出て、上昇率が0.1%に留まる形となった。
飯田)毎年7月1日時点の土地の価格を都道府県が調べたというものですが、大阪圏の商業地の沈みが激しいなど、いろいろなことが言われています。これはコロナの影響が大きいでしょうね。
テレワークの普及で郊外でも仕事ができるように
高橋)コロナの影響でしょう。一般的には都心より、どちらかと言うと地方の方がいいのではないかと思います。テレワークが多くなって、通信環境がよければ、郊外で広めのところに住んでテレワークをしたいと思う人もいるのではないでしょうか。そういうニーズはあるような気がします。
飯田)特に住宅地の需要では、広めの家の引き合いが強まっているようですね。
高橋)私はテレワークが多いのですが、テレワークをしていると、家の環境がわかってしまうのですよ。手狭で生活音がすぐに出る人もいるわけです。一方では個室の静かなところでテレワークする人もいる。テレワークで働くと、それぞれの住宅事情がわかりますね。
飯田)確かにそうですよね。背景をどうするかということで、いろいろなものを使っていますね。
高橋)テレワークは一時的なものではなく、永続的なものになると思います。そういう事情も、長期的には、地価の調査にも反映して来るのではないでしょうか。都会の新築マンションより、郊外に一戸建てを借りて、ゆっくり過ごしたいと思う人が多くなる気がします。
商業地でなくても成り立つビジネスも
飯田)他方、商業地に関しては人手が減っているというところもあるのでしょうか。
高橋)それはそうでしょうね。営業していないのだから。宅配などは多いし、飲食などは必要かも知れませんが、それ以外は商業地でなくてもできるものが多くなったのではないですかね。
飯田)地方でも。
高橋)コロナ禍での社会の動きによっては、ポストコロナになっても定着するものがあるでしょう。そういうものを見て、こういう地価の評価になるのでしょう。都心のビジネスは、「本当に都心でなければいけないのか」といつも思います。
飯田)土地の値段の動きを見ると、その部分が出ているところがあって、郊外のインターチェンジ近く、配送センターが立地しているようなところの地価が上がっているという話もあります。
高橋)それはそうでしょうね。東京一極集中が是正されて、私はけっこうだと思います。
国会もオンラインでいいのではないか
飯田)そうすると、企業の中枢、国家機関の中枢をどうするかという話にもなって来ます。
高橋)国会などは、オンラインでもいいのではないでしょうか。密なところで答弁しなくても。なぜ国会はオンラインでやらないのか不思議です。
飯田)先日、河野大臣にインタビューをしたときに、閉会中審査のなかで、オンラインで参加できないかということを打診したらしいのですが、「慣例上無理です」と言われたそうです。
高橋)通常はオンラインで、たまに集まってやるのもいいと思います。オンラインだと答弁も簡単ですし。答弁はペーパーを読み上げているだけだから、オンラインで読み上げればいいでしょう。
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