注目は甘利幹事長を中心とした「経済チーム」 ~岸田内閣発足
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月5日放送)に経済アナリストのジョセフ・クラフトが出演。新たに発足した岸田新内閣について解説した。
岸田内閣発足、初入閣は13人
自民党の岸田文雄総裁は10月4日、衆参両院の本会議で行われた総理大臣指名選挙で第100代の内閣総理大臣に選ばれた。岸田総理は直ちに組閣を行い、松野新官房長官が13人の初入閣組を含む新内閣の閣僚名簿を発表した。
注目は甘利幹事長を中心とした経済チーム
飯田)今朝(10月5日)の新聞各紙は顔写真入りで伝えています。この顔ぶれをご覧になっていかがですか?
クラフト)一部メディアでは目立った大物がいないと批判していますが、私は面白いと思いました。注目なのは経済チームですね。経済安保相の小林さんや、デジタル・規制改革・行革担当相の牧島かれんさん、経済再生相の山際さん。そこに財務相の鈴木俊一さんと、経産相の萩生田光一さんの2人が加わっています。この5人は甘利幹事長と親しい。若手は「子分」と言ってもいいくらいです。甘利幹事長を中心に経済政策を動かして行くのだろうなという感じで見ています。
岸田氏はマクロで、甘利氏はミクロで政策を遂行する
飯田)岸田さんご本人は、令和版の所得倍増計画など、どちらかと言うと分配思考のようにも見えますけれども、どうなのですか?
クラフト)先週、甘利さんに会う機会がありました。そのときに彼が言っていたのは、「成長なくして分配はできないのだ」と。岸田さんが言う分配は大事だということです。それと同時にイノベーション、成長がなければダメだと。自分は成長のところをイノベーションしたい、「ファーストペンギンになるのだ」と言っていました。
飯田)甘利さんは最近、ファーストペンギンという言葉をよく使いますね。岸田さんを推したのも、俺が先に手掛けたのだと。
クラフト)安倍さんと菅さんの場合、「マクロのビジョンを持った安倍さんとミクロの菅さん」というところがありました。あれと同じで、岸田さんがマクロの印象で、甘利さんはミクロで政策をきちんと遂行する。「5人のチームと一緒に甘利さんが主導して政策を担って行く」という印象を強く受けました。
岸田総理と甘利幹事長でバランスが取れている
飯田)岸田さんはその裏返しで、「分配なくして成長なし」とおっしゃっている。ともすれば、それこそ先に分配をしてしまうと、全体のパイが縮小してしまう。韓国の文在寅政権が施行して失敗した経済政策、あるいは旧民主党もそうかも知れませんが、「それと同じでは」と少し不安に思ったのですけれど、そこはきちんと成長を見る人がいるということですか?
クラフト)甘利さんは軸足を成長の方に置いています。岸田さんはどちらかと言うと分配。2人合わせてバランスが取れているのではないかなという印象です。これから岸田政権がそれを示して行かなければならないのですけれども、一応、この2人でバランスが取れたという印象は受けました。
飯田)私も以前、甘利さんにインタビューする機会があったのですが、やはりイノベーション、あるいは大学に種の部分、「シードがあるのだから、それをビジネスにつなげれば、日本はまだまだ成長できるのだ」とおっしゃっていました。
クラフト)甘利さんほど自民党内で、テクノロジーや最先端技術に詳しい人はいません。だから今回、経済安全保障を甘利さんも重視している。ここは重要です。
党と政権が一体となってやって行く
飯田)甘利さんと一緒に「ルール形成戦略議員連盟」で活動していた小林鷹之さんがここに入りましたが、タッグを組んでやるということになるわけですか?
クラフト)ピンポイントで甘利さんが据えたという感じです。甘利さんは「半導体戦略推進議員連盟」の会長ですし、自民党の「新国際秩序創造戦略本部」トップもやっていて、いろいろな戦略イノベーションに関わっています。今回大事なのは、幹事長、つまり「党が一緒になって政権とやる」ということです。菅政権、安倍政権のときは、党が二階さんの下で動いていて、政権との一体感がありませんでした。しかし、今回は党と政権が一体になってやるというところが、1つの注目点かも知れません。
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