「コロナ難民」を救うのは岸田政権の責任の1つ
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ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(10月14日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。政府の経済対策について、また、「コロナ難民」への対策について解説した。
政府の経済対策、ワクチン開発基金などに投資へ
岸田総理大臣が取りまとめを指示した経済対策のうち、科学技術・イノベーション分野の具体的な内容が10月13日に明らかになった。将来の感染症流行に備え、ワクチンの研究開発や新薬開発のベンチャー企業を支援する「ワクチン基金」を、5000億円を投じて設立。また、日本を科学技術立国にするための「大学ファンド」の資金規模拡充に6000億円を充てるとしている。
飯田)2兆3000億円規模で見積もっているということですが。
鈴木)科学技術・イノベーションについては、誰が総理になっても進めなければいけない。むしろいままでは遅かったし、予算的にも少なかったくらいです。
ワクチンを前に進めた菅前総理の功績
鈴木)日本はどうしてもワクチンに対して国民の感覚の慎重さもあったし、政治行政側もあまりお金をかけなかった。でも、コロナ禍をきっかけにワクチンが前に進んでいるわけです。ここにある程度お金をかけて体制をつくって行こうというのは、コロナ禍の反省が日本のワクチン対策を前に進めたと言えるのではないでしょうか。最初は、半年と言ってもいいくらい遅れていたのですから。菅さんは「ワクチン、ワクチン」と2020年12月ごろから命をかけているくらい言っていましたけれど、それは菅さんの功績と言ってもいいのではないでしょうか。
「コロナ難民」を救うべき ~自主廃業した経営者や職を失った非正規社員への支援
鈴木)私がもう1つ、岸田政権に絶対にお願いしたいことがあります。「コロナ難民」という言葉を使っているのですが、コロナに関しては緩和を含めて明るい兆しが見え始め、前に進み始めています。これはもちろんいいことで、そうなって行かなければいけない。しかし、実はこの1年数ヵ月で、いろいろな被害を被って来ている人がいる。よく飲食店の倒産件数などと言うけれど、その影に倒産はしていなくとも、「もうやって行けない」と自主廃業を選択した経営者がたくさんいるわけです。
飯田)むしろ、倒産まで負債が膨らむ前に、「まだ手元にお金が残っていれば精算もできる」という人の方が多い。
鈴木)そういう人は夢を諦めて、人生を諦めたわけです。そういう人たちがたくさんいる。若い人たちのなかには、大学も辞めてしまった人がいる。学生でアルバイト先がなく、仕事を失った非正規の方もいる。そして、亡くなった人がたくさんいるのです。死に目に会えないという病院のシーンを実際に取材したのだけれど、どれだけ心の傷が残っているか。
飯田)そうですね。
鈴木)こういう被害を被った人たちを、私は「コロナ難民」と言っています。この人たちを決して置き去りにしないで欲しいのです。前に進むばかりではなく、この人たちをどう支援するか。例えば、お店を畳んでしまった人に、もう1回再建するための融資制度をつくるとか。お金を融資して、例えば、返すのは20年後でいいとか。「コロナ難民」を救うということをセットで行う。コロナ対策において、私は岸田政権の1つの責任だと思います。
飯田)政府から無利子・無担保での融資も、いろいろ出て来ているけれど、その返済期限が来る。返済の順番を後ろにするような、劣後ローンという仕組みなどのアイデアも出ています。
鈴木)「10万円を給付しましょう」だけではない気がします。私は、「コロナ難民」に対しての手厚い支援も、政府の重要な役目だと思います。
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