岡山駅弁にイロイロな色の「桃」が登場している背景にあるものは?
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
カラッとさわやかな秋空の下、色づいてきた山の木々を眺めながら楽しむ、秋の鉄道旅。せっかくなら駅弁をお供に選んで、食欲の秋も満喫したいものですね。岡山の名物駅弁「桃太郎の祭ずし」と言えば、桃型の容器でおなじみ。じつは最近、この桃型容器のカラーバリエーションが増えてきています。その背景にはいったい何があるのか? 新たに登場した「赤い桃型容器」の駅弁に注目いたしました。
山陽本線、伯備線、山陰本線を経由し、岡山~出雲市間を結んでいる特急「やくも」号。国鉄生まれの381系電車が、“ゆったりやくも”としてリニューアルされながら、いまも活躍を続けています。車体を傾けることができる振り子機能を活かし、所要時間は約3時間。現在は、コロナ禍による利用者の減少に伴って概ね2時間に1本となり、一部の列車を除いて4両の短い編成での運行となっています。
岡山の名物駅弁と言えば、三好野本店が製造、桃型容器でおなじみ「桃太郎の祭ずし」。今年(2021年)に入って、この桃型容器にさまざまなカラーバリエーションが登場しています。春には、「春限定 桃太郎のあなごめし」と題して黒い桃型容器が登場。そして、この秋は、赤い桃型容器に入った「秋限定 桃太郎の肉ちらし」(1380円)が新たに誕生しました。こちらは、9月1日~12月31日までの期間限定販売となっています。
【おしながき】
・酢飯
・ローストビーフ しょうゆだれ(玉ねぎ風味) わさび
・錦糸玉子
・玉子焼き
・いくらしょうゆ漬け
・みつば
・紅生姜
赤い桃型のふたを開けますと、彩りも鮮やかにローストビーフのちらし寿司が現れました。祭ずしと言いますと、瀬戸内の海の幸がたっぷり詰まったイメージですが、こちらの「秋限定 桃太郎の肉ちらし」は、華やかな色合いはそのままに、ひと味違ったビーフの食感が新鮮です。低温熟成させたもも肉をローストビーフに仕上げたとのこと。玉ねぎの風味が効いた醤油だれとわさびでアクセントをつけながらいただいていくのが、楽しいひとときです。
この秋は、新幹線・特急乗り放題の「西日本どこでもきっぷ」が登場。11月からは山陽新幹線の車内販売も復活して、新幹線の旅も賑わいを取り戻してきているように感じます。そのなかで、「“色違い”の桃型容器の登場が、改めて駅弁への興味・関心を持ってもらえるきっかけになったら……」と話す三好野本店の担当者の方。秋のお出かけは、いつもとはちょっと違った色の桃型容器の駅弁をお供に、自分だけの旅を彩ってみてはいかがでしょうか?
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/