年末年始は「分散帰省」で 東京都医師会理事・川上一恵
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東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が11月5日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。ウィズコロナ時代の子どもの教育について解説した。
コロナ禍によって損なわれた子どもたちの社会性をどう回復するか
新行市佳アナウンサー)ウィズコロナ時代、コロナと付き合って行くなかでの子どもの教育に関して、どういうところに気を付ければいいのでしょうか?
川上)ここ2年ほど、学校で友だちとの関係性を深めるような社会性が損なわれてしまったと思いますので、そこをいかに回復させるかだと思います。教育のあり方も改革期に入って来ていて、ICT、コンピュータとの付き合い方に関しても模索中だと思います。そのなかで、子どもたちの学習をいかに保つかというのも1つだと思いますが、それ以上に、抑圧された生活を強いられている子どもたちをいかに健全に育てるかということが、いちばん注目されている点です。
家族のなかで注意すること
新行)家族のなかではどうしたらいいのでしょうか?
川上)ワクチンを打てる大人はできるだけワクチンを打って、自分を守ることです。子どもでワクチンを打てない世代の場合には、いかに体調を保つか。それから、友だちと遊ぶことはいいのですが、感染リスクを下げるために、例えば「室内遊びをするならマスクはしておいて」と言う。お家に帰ってからも、もし地域で流行があるような場合、おじいちゃん、おばあちゃんと話すときは部屋の端と端で、距離を取った状態で会話をする。距離を取れないのであれば、マスクをしておしゃべりを楽しむという工夫をするなど、みんなが楽しく過ごせることを考えて欲しいです。
新行)「罹ってはいけないから外には出ない」ではなく、「どういう対策をすればいいのか」という部分を実行するということですね。
川上)それが大切なことだと思います。いま、第5波が収束して来て、夜の飲食なども解禁されました。そのため、子どもに「自分たちだけ制限が加えられている」という印象を与えてしまうと、モヤモヤとしたストレスが増えることにつながります。子どもの生活について、どのように制限を緩めてあげたらいいのかということも考えなければいけないと思います。
新行)一緒に話し合って、「友だちと遊んで来ても大丈夫だよ」と声をかけてあげたり、何に気をつけて過ごせばいいのかをしっかり話し合うことですよね。
川上)それはとても大切だと思います。その上で、この冬は家族旅行をしたり、おじいちゃん、おばあちゃんに会いに帰省されてもいいのではないかと思います。
親族の分散帰省
新行)家族旅行や帰省について、改めて注意点を教えていただけますか?
川上)新型コロナの潜伏期間を考えると、お出かけになる2週間前から感染リスクの高い場所には出入りしない。それから、自分の体調をチェックしておくことが大事でしょう。
新行)健康な状態を知っておいて、何か異変があったら先生に相談しに行くということですね。
川上)それと、旅行や帰省を取りやめる勇気を持つことも大事です。
新行)少しでも自分の調子が違うと思ったら、今回はやめておこうという判断ですね。
川上)あとは、例えばお正月など、親族みんなが全員集まるのではなく、分散して正月を過ごすというのもいいかも知れません。
新行)一斉に集まるのではなく、第1陣、第2陣という形で、少しずつ帰って行くということですね。
川上)そういうやり方も考えていいかも知れません。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます