ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月8日放送)に数量政策学者の高橋洋一が出演。政府が決定した18歳以下への10万円給付について解説した。
10万円給付について
政府がコロナ禍における経済対策として決定した18歳以下への10万円相当の給付について、数量政策学者・高橋洋一が「10万円1回」にするべきだという持論を展開した。
飯田)高橋さんは「現代ビジネス」に、政府の18歳以下への10万円給付について、「900億円の経費は絶対にいらない」と書いていらっしゃいます。政府は5万円のクーポンと現金に分けると言っていますが。
高橋)簡単な話です。10万円のうち5万円は現金で、残りの5万円分はクーポンなのでしょう。普通に考えれば、お金がかかるに決まっているではないですか。10万円を1回で渡せば終わります。
飯田)1回渡すだけ。
10万円の給付は地方自治体の事務になる
高橋)ほとんどの人がそう思うのではないでしょうか。私は法的根拠を言うだけですが、皆さん、「国がお金を配る」と思っておられるけれど、これは「地方自治体の事務」なのです。
飯田)国が直接やるのではなくて。
高橋)音頭を取っているのは国で間違いないし、お金を出すのだけれど、実際にそんな職員もいないから、実行する際には自治体の事務になるのです。
飯田)手足として動いてくれるのは、当然そうなりますよね。
「自治事務」 ~国に強制力はない
高橋)そういう建て付けなのです。児童手当もそうだから。自治体の事務は2種類あって、1つは法定受託事務。
飯田)法定受託事務。
高橋)もう1つは自治事務というものに分かれるのです。
飯田)自治事務。
高橋)この場合は自治事務になります。法律的に自治事務になったら、国はいろいろなことを言いづらくなる。
飯田)そうなのですか?
高橋)自治体が行う事務になるから、助言は国がするけれど、最終的には、変なことをしても「直した方がいいですよ」という程度しか言えないのです。
飯田)強制力はないのですね。
「クーポンを印刷するのは大変です」と言えば1回の現金給付でもいい
高橋)強制力はないので、自治体の都合でできるのです。自治体の都合で、「クーポンを印刷するのが大変です」と言えば、印刷しなくていいというような事務なのです。
飯田)「うちはクーポンを印刷するのは大変だから、現金で1回で渡します」と言えるのですね。
高橋)そういうものなので、仕方がありません。
飯田)「面倒くさいから配りません」というのは無理だけれど。
代表質問で総理に「これは法律上、どういう事務なのですか?」と聞けばいい
高橋)法律的にやればいいのです。自治事務になるので、「自治体の都合でできます」ということを確認すればいいだけです。だから代表質問で、「これは法律上、どういう事務なのですか?」と聞けば、私が言ったような答えになるはずです。
飯田)なるほど。それを官僚に聞くと、「まだ決まっていません」などとなる。
高橋)官僚では言いにくいでしょう。自民党と公明党でやった決定をないがしろにするということに近いから。
飯田)そうですね。
高橋)だから政治的に聞けばいいのです。国会で聞いて総理がそう言えば、官僚も安心して動けるということです。
飯田)なるほど。言質を政治側に取るということですか?
高橋)政治にしか取れません。官僚に聞くと「モゴモゴ」という話になりがちです。公明党と自民党から見れば、「官僚でひっくり返したな」という話になるではないですか。
飯田)なるほど。そうすると、いま国会が開いているのは好都合ですね。
高橋)好都合です。聞かれれば、「自治体の実情に応じて」と言うしかないですよ。
飯田)これは野党が注目されるところですね。
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