ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(12月9日放送)にジャーナリストの鈴木哲夫が出演。イギリスのジョンソン首相、カナダのトルドー首相が相次いで北京五輪への外交的ボイコットを表明したというニュースについて解説した。
北京オリンピック ~イギリス、カナダも外交的ボイコット
イギリスのジョンソン首相は議会で、北京オリンピックにおいて閣僚や政府当局者は参加しないと発言し、事実上の外交的ボイコットを表明した。また、カナダのトルドー首相も12月8日の記者会見で、政府代表を派遣しないことを表明している。
決断が遅い日本 ~マイナスの印象に
飯田)オーストラリアのモリソン首相も8日、政府関係者を派遣しないという方針を明らかにしています。「日本はどうする」というところになりますが。
鈴木)どうするかは別として、決断が遅い気がします。こうやって他の国が方向性を出して来るでしょう。でも、日本は未だに「考えます」と。そして最後に結論を出す。
飯田)そうですね。
鈴木)そうすると、「日本の主体性はどうなのか」という話になると思うのです。「各国との連携」などと言っているけれど、「結局、アメリカについて行くのね」と。決断のときの印象が日本にとってマイナスになると思います。
飯田)マイナスの印象に。
鈴木)岸田総理は「国益を考えて」と、「国益」という言葉を使っていました。しかし国益を考えるのなら、外交力を示すために、もう少し早い段階で決断するというスピード感、順番と言うのでしょうか。私はそこがもったいない気がします。
飯田)こうなると、どちらに転んでも損するような。
鈴木)情報収集もいいのだけれど、総理を中心に外交の側近も含めて「どうするか」ということを、集中的にもっと早く決めるべきだと思います。例えば、いま「外交的ボイコットです」と言っても、「結局は追随したのですね」という印象が現時点でも残ってしまうと思います。
飯田)そうですね。
今回の決断は中国だけではなく、アメリカに対しても「岸田外交」のメッセージとなる
鈴木)今度のメッセージは、中国に対して出します。しかし、実は同時にアメリカに対してのメッセージにもなるわけです。岸田さんが総理になって、「日本の外交はどうするのか」というアメリカに対しての基本姿勢にもなるのです。
飯田)アメリカに対しての。
鈴木)アメリカの意向に関係なく、日本独自の判断をする。例えば、「誰かを派遣する」でもいいのです。いま、スポーツ庁長官の室伏さんの名前が出ていますが、スポーツ庁長官が行けば、閣僚ではないのだから、中国にも面子を立てられます。「日本は強かに考えている」というアメリカに対して突き付けるカードにもなるわけですから、それでもいいのです。
飯田)アメリカに対しては。
鈴木)考え続けていて、決断が遅い。最後に何かを出しても、せっかくのカードを活かせないのではないでしょうか。スピード感が必要です。それと中国へのカードだけではなく、アメリカへのカードにもなるのだから、アピールはできるのです。
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