男性の「更年期障害」はなぜ起こるのか
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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が12月6日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。男性の更年期障害について解説した。
意外と多い男性の更年期障害
飯田浩司アナウンサー)男性にも更年期障害はあるのですか?
森田)女性に比べて、急に症状が出ることは少ないのでわかりにくいのですが、男性も更年期障害で悩む人が非常に多いとされています。
飯田)そうなのですね。
森田)女性の場合は、40代後半~50代くらいから卵巣の働きが衰えて来て、女性ホルモンの分泌量が少なくなるために、更年期障害という症状が出て来ることが広く知られています。
飯田)そうですね。
森田)男性もホルモンバランスの乱れによって、更年期障害が生じることが注目されつつあります。
発症年齢は40代半ば~50代前半
飯田)男性の更年期障害は、いつごろから症状が出て来るのですか?
森田)発症年齢はおおよそ40代半ば~50代前半、すなわち女性と同じ場合も多いのですが、30代でも起こることがあります。
新行市佳アナウンサー)飯田さんがちょうど40歳です。
森田)それでは、じっくり聞いてください。男性の更年期障害は女性のように月経が止まる、閉経のようなはっきりとした変化が現れないのと、個人差が大きいのです。自覚する人も少なく、医療機関に受診する人も少ないとされています。さらに女性と比べてゆっくり症状が出るということも特徴的です。
新行)そういうこともあって、男性の更年期障害はあまり注目されて来なかったということですか?
森田)社会的に認知されるようになったきっかけは、2002年ごろにNHKの番組で取り上げられてからではないかと思います。
飯田)では、ここ20年くらいということですね。
鬱と間違えて心療内科に通う方も
新行)実際に更年期障害に悩まれている男性の方もいらっしゃるということですよね。
森田)女性に比べて症状がゆっくり出ることや、症状の個人差が大きいことから、治療を受けずに「何だかつらいな」という状態のまま放置される場合もあります。また、気分が落ち込むから鬱なのではないかと決めつけてしまい、心療内科に通うなど、正しい診療、治療に辿り着かないという方も多いのではないかと思います。
歳を取ると男性ホルモン「テストステロン」が少なくなる ~原因の1つ
飯田)まずは原因についてですが、どういうものが考えられるのですか?
森田)年齢を重ねることによって、男性ホルモンである「テストステロン」が少なくなることが原因としてあります。その他は仕事上のストレスなどの間接的な原因による、「自律神経のアンバランス」というのも理由として考えられています。
飯田)テストステロン。名前は聞いたことがありますけれど、どういう効果や働きがあるのですか?
森田)テストステロンは男性ホルモンの一種で、精力を増強させたり、筋肉を強くしたり、毛深くしたり、あとは男性の性的特徴や、睾丸のなかでつくられる精子の造成に深く関わりのあるホルモンと考えられていますね。
飯田)男性ホルモンの一種。
森田)ちなみに女性にも男性ホルモンが存在しているのですが、分泌量は男性の20分の1くらいということで、陰毛の発毛などに関わっているとされています。
飯田)なるほど。
森田)テストステロンがたくさん分泌されると体毛が毛深くなるのですが、頭の毛は薄くしてしまうという働きがあります。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます