「越の駅弁7箇所巡り」、コンプリートした先に見えたものは?

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【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

2月13日まで新潟県内の駅弁屋さん7社が共同で開催している「越の駅弁7箇所巡り」。私も「駅弁御朱印帳」を片手に、越後湯沢から直江津、長岡、新津と各駅弁屋さんの直売所を巡って、オリジナルスタンプを集めてまいりました。いよいよ、最後は新潟駅。新潟駅弁「新潟三新軒」売店のチェックポイントを回り、オリジナルスタンプを押印すれば、コンプリートすると特別なスタンプも登場!? 「越の駅弁7箇所巡り」の旅・完結編です。

115系電車・普通列車、越後線・白山~新潟間

115系電車・普通列車、越後線・白山~新潟間

新潟「駅弁御朱印帳」の旅 ~新潟駅弁・新潟三新軒(第7回/全7回)

国鉄生まれの115系電車がいまも健在な新潟の在来線。製造当初の湘南色はもちろん、1次・2次・3次新潟色に加え、旧弥彦色・弥彦色、さらには懐かしの新潟色まで、7つのカラーリングが施されて、大きなモーターの音を響かせ、地域の足として活躍しています。「越の駅弁7箇所巡り」で7つの駅弁屋さんを訪ねるのに合わせ、7色の115系電車を楽しむ旅もいいですね。

新潟駅万代口の雪椿

新潟駅万代口の雪椿

県庁所在地・新潟市の玄関、新潟駅、昭和30年代に供用を開始し、新潟鉄道管理局(いまのJR新潟支社)も入っていた万代口駅舎が取り壊され、リニューアルの真っ只中。バックで路線バスが停車し、発着する万代口のバスターミナルが、辛うじてまるで昭和のような姿を残していますが、果たして、次の雪椿の季節までこの風景が見られるでしょうか。大きく変わりゆく、新潟駅の風景にも注目していきたいものです。

新潟三新軒直売所

新潟三新軒直売所

そんな新潟駅の駅弁を手掛けるのが、「新潟三新軒」です。もともとは、新津の三新軒が、新潟・新発田などに置いていた営業所が、昭和31(1956)年ごろに独立して生まれました。現在は、上越新幹線東口と在来線東口の改札の間に直売所を設けて営業しています。ここでは新潟三新軒が、神尾弁当部・三新軒・新発田三新軒の駅弁も委託を受け販売。「越の駅弁7箇所巡り」では、ここがチェックポイントとなります。

村上牛しぐれ

村上牛しぐれ

新潟三新軒の“推し弁”は、おなじみ「村上牛しぐれ」(1200円)です。「村上牛」とは、にいがた和牛のなかで新潟県北部にある村上市、関川村、胎内市で飼育されたA4・B4ランク以上のご当地ブランド牛のこと。この牛肉をしぐれ煮にして、牛そぼろと一緒に新潟県産コシヒカリの白いご飯の上にたっぷりと載せた駅弁です。魚介類が多い新潟駅弁では、肉駅弁として随一の人気を誇ります。

オリジナルスタンプの押印

オリジナルスタンプの押印

新潟三新軒の直売所には、レジ脇に専用スタンプ台が設けられています。上越新幹線の発車前の時間帯は、お客さまがひっきりなしにやって来る売店ですが、会計の列とは別の動線なので、安心して押印することができます。

新潟三新軒オリジナルスタンプ

新潟三新軒オリジナルスタンプ

オリジナルスタンプは、「村上牛しぐれ」にちなんで、牛が2頭と稲穂が描かれたデザイン。駅弁御朱印帳片手に、新潟の上・中・下越を巡って来た「越の駅弁7箇所巡り」、このスタンプで、ついに7つが揃いました!

【おしながき】
・白飯(新潟県産コシヒカリ)
・村上牛しぐれ煮
・牛そぼろ煮
・玉子焼き
・茎わかめ
・ごぼう煮
・紅生姜

村上牛しぐれ

村上牛しぐれ

とくに肉質の柔らかい村上牛を使い、醤油・砂糖・酒などで煮込んで作る牛肉のしぐれ煮。しょうがの風味が効いていて、美味しいご飯とともに箸がどんどん進みます。営業時間は、9:00~19:00(土休日は8:00~19:30)。完売してしまうと、閉店の可能性がありますので、訪ねる時間が遅い場合は、予約がお薦めです(電話:025-244-1252)。

越の駅弁7箇所巡り・コンプリート記念スタンプ

越の駅弁7箇所巡り・コンプリート記念スタンプ

新潟三新軒の店員さんに押印した7つのスタンプを確認していただくと、奥からもう1つのスタンプが登場しました。そう! 「越の駅弁7箇所巡り コンプリート記念スタンプ」を、押印することができるんです。

越の駅弁7箇所巡り・コンプリート記念スタンプ

越の駅弁7箇所巡り・コンプリート記念スタンプ

「新潟駅ではこのスタンプ、望月さんが初めてです」とのこと。初めて使うスタンプ、ちょっぴり緊張しますね。デザインは……7箇所巡りを達成された皆さんならご存知ですよね!

新潟県内の駅弁屋さん全7社のオリジナルスタンプ

新潟県内の駅弁屋さん全7社のオリジナルスタンプ

「越の駅弁7箇所巡り」は、駅弁マークが入った駅弁屋さんの集まり、「日本鉄道構内営業中央会新潟支部」の主催で行われています。この取り組みのいい点は、参加者が、駅弁を実際に作っているところを訪ねて、その土地の空気、水を感じながら、作り手の方々と言葉を交わした上で、駅弁を食べられること。加えて、「駅弁御朱印帳」がお洒落なこと。それぞれの地域、さらには全国で水平展開したら、もっと面白いだろうなぁと感じました。

E7系新幹線電車「とき」、上越新幹線・長岡~浦佐間

E7系新幹線電車「とき」、上越新幹線・長岡~浦佐間

「越の駅弁7箇所巡り」は2月13日まで開催中。新潟県内は「えちごツーデーパス」や「週末パス」といった、7箇所巡りに活用できるフリー乗車券が充実しており、雪に強い、上越(一部は北陸)新幹線も利用可能(特急料金別)。1日でコンプリートもできますが、駅弁を美味しくいただくなら、新潟の温泉などに泊まり、じっくりと巡っていきたいものです。あなたもE7系新幹線電車に揺られて、新潟のいい「7つの駅弁」を味わってみませんか?

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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