日本の鉄道150年! “鉄道のまち・新津”で味わう、贅沢な駅弁
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「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。
令和4(2022)年は、日本の鉄道誕生150年。2022年も、「ライター望月の駅弁膝栗毛」をよろしくお願いいたします。2月13日まで新潟県内の駅弁屋さん7社が共同で開催している「越の駅弁7箇所巡り」。オリジナルの「駅弁御朱印帳」を片手に各駅弁屋さんの直売所を巡って、オリジナルスタンプを集めていく取り組みです。コンプリートすると特別なスタンプも集めることができます。今回は、新津駅弁「神尾弁当部」を訪ねました。
新潟「駅弁御朱印帳」の旅 ~新津駅弁・神尾弁当部(第4回/全7回)
特急「しらゆき」が最も似合う季節はやっぱり冬! 雪が降っていても定刻通り、真っ白な世界を高速で走り抜けて行く列車を見れば、厳しい環境でも、安定輸送を確保するため、鉄道に携わる皆さんが尽力されていることに敬意を表さずにはいられません。日本では、150年前の鉄道開業以来、官設鉄道・国鉄を継ぐJRをはじめ私鉄各社も、より安全でより速い鉄道を目指して、さまざまな努力がたゆまず続けられてきました。
そんな鉄道マンの誇りが感じられるまち、新潟市の「新津(にいつ)」。新津駅東口前には、昨年(2021年)、D51形蒸気機関車の動輪が設置され、「鉄道のまち」の新しいシンボルとなりました。ちなみに、「新津鉄道資料館」までは新津駅前から路線バスで約5分(新津工業高校前下車)。資料館では、8日から「新春 鉄道用語書き初め2022」の展示が始まるそうです(課題は小学校低学年が「はくたか」「キハ」など。1月5日必着)。
この新津駅東口の前にあるのが、明治30(1897)年創業、新潟県で最も古い駅弁屋さん「神尾弁当部」。神尾弁当部の駅弁は新潟駅の売店でも販売がありますが、「越の駅弁7箇所巡り」では、この場所がチェックポイントとなります。営業時間は8:00~17:00で、予約をしなくても約10分で作っていただくことができます。ただ、15時以降は食材切れの可能性があるため、事前の予約がお薦めだということです。
神尾弁当部の“推し弁”は、「のどぐろとにしんかずのこさけいくら」(1300円)。昨年(2021年)9月から、スリーブ式の包装がリニューアルされました。ほのぼのしたロゴだったのが、海の幸らしく勢いのある字体になって思わず手に取りたくなります。新潟らしい海の幸が、たっぷり載っているのはもちろん、「のどぐろと にしんかずのこ さけいくら」と、きれいに五・七・五になったネーミングも耳に心地いいですね。
こちらを買い求めたところで「越の駅弁7箇所巡り」で伺ったことを伝えると、神尾弁当のオリジナルスタンプを用意して下さいました。駅弁御朱印帳に自分で押印していきます。改めて、「越の駅弁7箇所巡り」のルールを簡単におさらいしておきましょう。
(1)新潟県内の駅弁屋さんの「直売所」を訪問(12/4・土~2/13・日まで)。
(2)最初の駅弁屋さんでその店の「推し駅弁」を購入、駅弁御朱印帳を入手(各店先着350名、1人1冊まで)。
(3)全部で7箇所のお店を巡って、各店で駅弁を購入。
(4)最後に購入したお店で「コンプリート記念スタンプ」も押印。
神尾弁当のオリジナルスタンプは、真ん中に大きく神尾弁当、そして横に「NIITSU」の文字が入っています。下に2匹描かれている魚は、新潟を代表する魚・鮭。神尾弁当部によると、かつて使用していたモダンな雰囲気の幕の内弁当の掛け紙を再現したと言います。神尾弁当の伝統駅弁には「さけずし」もあります。鉄道のまち・新津の誇りを感じながら、駅弁屋さんの歴史にも思いを馳せることもできるオリジナルスタンプというわけですね。
【おしながき】
・酢飯
・のどぐろ(赤むつ)塩焼き
・にしんの甘露煮
・数の子醤油漬け
・鮭の塩焼き
・いくら醤油漬け
・錦糸玉子
「のどぐろとにしんかずのこさけいくら」は、選りすぐりの新潟県産コシヒカリの酢飯の上に、のどぐろ(赤むつ)の塩焼き、にしんの甘露煮、程よい塩加減の数の子、鮭の塩焼きに、いくらまで載った贅沢な構成。脂がのったのどぐろや鮭を塩で焼くことで引き締めながら、にしんの甘味や数の子といくらの程よい塩加減、さらには酢飯のサッパリ感が相まって、とても心地よくいただくことができる、満足度の高い駅弁です。
新潟県内の在来線を中心に活躍するE129系電車は、新潟市秋葉区の「株式会社総合車両製作所 新津事業所」で製造されていて、新潟の“地産地消”電車として知られています。1両の半分が通勤・通学需要に対応したロングシート、残り半分は長距離利用にも対応したボックスのあるセミクロスシートとなっているのが特徴です。次回も、引き続き新津で、駅弁屋さんを訪ねてまいりましょう。
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連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/