黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(1月20日放送)にドムドムフードサービス代表取締役社長の藤崎忍が出演。ドムドムハンバーガーの業績回復への秘訣について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。1月17日(月)~1月21日(金)のゲストはドムドムフードサービス代表取締役社長の藤崎忍。4日目は、社内の環境を重視した社長としての信条について---
黒木)一時期低迷していたドムドムハンバーガーを、その経営手腕で再び人気チェーンへと躍進さえた藤崎さん。社長という仕事の役割について、どのように考えていらっしゃいますか?
藤崎)責任の所在かなと思っています。最終的な責任はすべて私にあるという思いのなかで、あとはスタッフや社員の幸せのためにやるだけです。いろいろな試作をするのですが、その責任は私にあるので、あとはみんなでワイワイガヤガヤやれたらいいなと思います。
黒木)新しい商品開発も、いまやっていらっしゃるのですか?
藤崎)商品開発部というのがあって、「このようなものがあるのですがどうですか?」と、商品をつくり出す前にソースや具材などをテーブルに持って来てくれます。まずは食べてみて、これはいいのではないかとか、これはないかもね、というような感じで、商品開発会議の前にいろいろなお話をさせてくれるような関係性なので、やりやすいですね。もともと私が商品開発からの出身ということもあるのですが。
黒木)そのように皆さんがアイディアを持ち込んだところで、いいものを拾い上げて行くというリーダーでいらっしゃるということでしょうか?
藤崎)よく「どのようなタイプの社長さんなのですか?」と聞かれることがあるのですが、「スタッフが発信しやすい環境づくり」が信条です。コミュニケーションのなかで信頼や感情をきちんと伝えることが重要かなと思います。
黒木)店長を任せれたときに、ご自分の意見が言えるようにということで、役員の方に申し出られたそうですね?
藤崎)店長のあと、スーパーバイザーをやっているときに、(事業承継後の)1期目の決算が出て、その数値を見たときに、「これではまずい」と思って、「自分の意見を言える立場にしてください」とお願いしました。1回目に言ったときは、「それはあなた無理ですよ」と断られました。そのときは平社員なのですから、それは無理なのですが、そこからペーパーにいろいろなことをまとめて、しつこくメールをしたり電話をして、改善点やこれからこのようにやって行きたいということを図々しくも送るわけです。
黒木)ご自分の意見を拾ってくださいと。そのような環境であって欲しいと。
藤崎)そうですね。それは私だけではなくて、私が(意見を言える立場に)なることで社内のコミュニケーションも取れるかなと思ってお願いしたのです。
黒木)そうしたら数か月後に社長に抜擢された。
藤崎)はじめは役員になれば取締役会でいろいろなことが言えるので、そこにと思っていたので、驚きました。
黒木)周りの社員の方々はどのような反応だったのですか?
藤崎)スーパーバイザーをやっていたときに、店舗の方にはほとんど毎日回っていたので、その方たちはみんな喜んでくださいました。あまり親しくないスタッフも全国におりますので、その方たちは驚かれたと思います。私がまずはじめにやることは、まず私自身をみんなに知ってもらって、理解をしてもらって、信頼関係を構築することだと思いました。
黒木)ドムドムハンバーガーのコンセプト『まじめにおいしい、楽しい、どむどむ』というものを読ませていただいていますが、『ホスピタリティ』や『ドムドムの衛生管理』、こういったところも少しご説明いただけますか?
藤崎)再生中であることは間違いなくて、業績は少し上がったのですが、まだまだ足りないところはたくさんあると思います。美味しいということは最低限のことで、その上の商品を提供しましょう、というところです。
黒木)なるほど。
藤崎)ホスピタリティについては、お客様が笑顔になってお帰りいただけるような店舗をつくりましょうということを言っています。そのなかでお店が綺麗であったり、従業員が笑顔であったり、そのようなことを1つひとつ積み重ねているところで、いまはまだ発展途上ですね。
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藤崎忍(ふじさき・しのぶ)/ (株)ドムドムフードサービス代表取締役社長
■1966年7月、東京都墨田区生まれ。短大卒業後に区議会議員の男性と結婚。
■主婦として子育てなどに奔走していたが、39歳の時に夫が病に倒れ、商業施設「渋谷109」にあるブティックの店長として働き始める。仕事と介護を両立しながら5年にわたって働き、この期間で売り上げ倍増を達成。年商2億円という優良ショップへと導いた。
■2010年に退職すると、次は東京・新橋の小料理屋でアルバイト。その後、2011年に小料理屋の近くで居酒屋を開店。翌年には2軒目も出店。ご主人の介護も続けていたが、2016年12月に長期療養中だったご主人が急逝。
■その後も居酒屋で仕事を続ける毎日だったが、ドムドムハンバーガーの運営会社の人物が・そのお店の常連客で、新商品開発担当として藤崎さんをスカウト。2017年にドムドムハンバーガーの新商品開発担当として転職する。
■新規店舗の店長やエリアマネージャーなどを経て、入社から1年経たずして、2018年4月にドムドムフードサービス社長に就任。
■就任後は「ドムドムらしさ」にこだわり、メニューの刷新など様々な改革を断行。「カマンベールチーズバーガー」「丸ごと!!カニバーガー」など斬新なメニューを相次いで投入。業績を黒字に転換させた。
【ドムドムハンバーガー】
・1970年に誕生した日本で最初のハンバーガーチェーン。
・かつては全国350店舗を超えたこともあったが、他店との競合もあり・徐々に低迷。
・2017年にホテル運営のレンブラントホールディングスが買収。現在はドムドムフードサービスを運営母体に全国およそ30店舗を展開。
番組情報
毎朝、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをお迎えして、朝の活力になるお話をうかがっていく「あさナビ」。ナビゲーター:黒木瞳