吹奏楽を演奏する人に多い「逆流性食道炎による胸やけ」

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が4月7日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。音の医学というテーマで医療と音のさまざまな関係について解説した。

吹奏楽を演奏する人に多い「逆流性食道炎による胸やけ」

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

吹奏楽を演奏する人に多い病気

飯田浩司アナウンサー)私も新行市佳アナウンサーも10代のころに吹奏楽をやっていたのですが、吹奏楽にまつわる医学的な話はありますか?

森田)最近の研究で、吹奏楽を演奏する人により多い病気が明らかになってきたのです。次のうち、どちらだと思いますか? 1つ目が逆流性食道炎による胸焼け、2つ目が視界がグルグルする回転性めまい。

飯田)いま私、実際には逆流性食道炎の胸焼けの方を少々患っております。

森田)新行さんは?

新行市佳アナウンサー)私はどちらかと言うと、めまいに悩まされています。

フルートやオーボエ、ファゴットを演奏する人に多い逆流性食道炎による胸やけ

森田)正解は、逆流性食道炎による胸焼けなのです。1083人の音楽家のうち、414人が吹奏楽者だったのですが、その方々を調査した研究結果があります。他の楽器の演奏者に比べて吹奏楽の演奏者では、胸焼けなどの症状がある人が明らかに多かったということです。特にフルートやオーボエやファゴット。これらの楽器は演奏時に腹圧がかかります。

新行)確かにそうですね。

森田)それによって胃酸が食道に逆流して、逆流性食道炎が起きやすいのではないかと考察されています。

胃酸を抑える薬で治る

森田)逆流性食道炎は、胃酸が胃から食道へ逆流することによって、食道に炎症が起こる病気です。胸焼けや喉の違和感、乾いた咳などが特徴で、もちろん吹奏楽だけではなく、お肉などをたくさん食べる欧米型の食事生活、飲み過ぎ、食べてすぐに寝る習慣、食べ過ぎ、早食いなども影響しています。胃カメラで診断でき、胃酸を抑える薬で治すことができるので、早めに対処していただきたいと思います。

吹奏楽を演奏する人に多い「逆流性食道炎による胸やけ」

新行市佳アナウンサー、森田豊氏、飯田浩司アナウンサー

フレーズが頭にこびり付いて離れない「イヤーワーム」

飯田)他に何か音楽にまつわる話はありますか?

森田)カラオケを歌った翌日に、サビのフレーズが頭にこびり付いて離れないことがあります。「イヤーワーム」という現象なのですが、飯田さんと新行さんは、音や音楽の一部が耳にこびり付いて離れないという経験はありませんか?

飯田)よくあります。

新行)あります。

森田)どのようなフレーズですか?

飯田)最近は阪神タイガースの応援歌です。六甲おろしが離れない。

森田)ドイツの研究によると、90%くらいの人はイヤーワームの経験があるようで、特に女性に生じやすく、また、音楽に触れる機会が多い人に生じる確率が高いという研究結果があります。イヤーワームが起こった曲を集計すると、「現在ヒットしている曲に偏っている」という傾向があるようです。しかし、どうしてイヤーワームが生じるのか、厳密にはわかっていないということです。

イヤーワームが睡眠の質を低くする

新行)イヤーワームが健康に影響を及ぼすのですか?

森田)アメリカのベイラー大学の研究によると、イヤーワームが睡眠の質に悪影響を与えるということです。特に寝る前に音楽を聴く習慣のある人は、睡眠時にイヤーワームが起きてしまう頻度が高く、寝つきが悪くなったり、目を覚ます頻度も多いということです。週に1回以上イヤーワームを体験する人は、まったく体験しない人に比べて、睡眠の質が低下する危険性が約6倍も高いということです。

番組情報

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

毎週月~金曜日 朝6:15~

番組HP

医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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