【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね　第1053回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X（トーキョー シネマ クラウド エックス）」。

今回は、現在公開中の『とんび』と『バーニング・ダウン 爆発都市』をご紹介します。

画像を見る（全14枚） 『とんび』

映画館で観たい！『とんび』　～親子の絆は、どんなときもつながっている……

これまで2度テレビドラマ化され、不朽の名作として知られている重松清のベストセラー小説『とんび』が、初めて映画になりました。

原作にはないオリジナルストーリーを加えて、いつの時代も変わることがない親子の絆を描いた“家族の物語”が、いま、号泣必至ムービーとして話題を集めています。

『とんび』

『とんび』のあらすじ

昭和37年、瀬戸内海に面した広島県備後市。運送会社で働くヤスは、幼いころに両親と離別したことがきっかけで、自分の“家族”を持つことに憧れていた。

そんななか、愛妻の妊娠が発覚。やがて、息子・アキラが生まれる。ヤスはもちろん、姉貴分のたえ子や幼馴染の照雲たちも「とんびが鷹を生んだ」と大喜び。ところが、ようやく手に入れた幸せは、妻の事故死によって脆くも崩れてしまう。

突然の出来事に失望しながらも、仲間たちに支えられて子育てに奮闘するヤス。しかし、誰も語らない母親の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をついてしまい……。

『とんび』

『とんび』のみどころ

まるで“大きな子ども”のような無邪気さと破天荒さを持ち合わせるヤス役には、阿部寛。そして父と周囲の人々からの愛情を一身に受けて真っ直ぐに育つアキラ役は、北村匠海。本作が初共演となる2人が、映画版“とんびと鷹”に扮し、情感豊かに演じています。

共演には薬師丸ひろ子、杏、安田顕、大島優子、麻生久美子といった豪華なキャストが集結。彼らがみせる人情味あふれるアンサンブルは必見です。

そしてメガホンを取ったのは、『64 -ロクヨン-』『糸』など多くのヒット作を世に送り出してきた瀬々敬久監督。“古きよき時代の物語”にとどまらない、新たな時代への希望を予感させる人間ドラマとして完成させました。

『とんび』

幾度途切れても必ずつながってゆく、親子の絆。子どもの成長を見つめる父親の心情、そして不器用ながらも愛情を注いでくれる父に対する子の思い。

心温まるエピソードからは双方の視点が垣間見えて、父と息子それぞれの成長物語としても、人間讃歌の物語としても秀逸な作品となっています。

観終わったあと、ふと自分自身の家族のことを思い出し、会いたくなってしまう人も多いはず。この春、いちばんの感動作です。

『バーニング・ダウン 爆発都市』

コチラも映画館で観たい！『バーニング・ダウン 爆発都市』　～やっぱり、香港映画は面白い！

鬼才ハーマン・ヤウ監督が、いまなお第一線で活躍する“香港四天王”アンディ・ラウとタッグを組んだアクション・エンターテインメント。

爆発で左足を失った元爆弾処理班のエース。そして、テロ組織「復生会」のメンバー“ブリザード”。一体、自分は誰なのか。記憶喪失ゆえ2つの顔を持つ男が、香港全土を揺るがす核爆弾テロに挑む。

「これぞ香港パワー！」と叫びたくなるほど、スペクタクルなアクションシーンが満載。観る者のアドレナリンを放出させること、間違いなしの痛快作。

『とんび』

『とんび』

大ヒット公開中
出演：阿部寛、北村匠海、杏、安田顕、大島優子、濱田岳、宇梶剛士、尾美としのり、吉岡睦雄、宇野祥平、木竜麻生、井之脇海、田辺桃子、田中哲司、豊原功補、嶋田久作、村上淳、麿赤兒、麻生久美子、薬師丸ひろ子

原作：重松清「とんび」（角川文庫刊）
監督：瀬々敬久
脚本：港 岳彦
音楽：村松崇継
主題歌：ゆず「風信子」
配給：KADOKAWA イオンエンターテイメント
(C)2022『とんび』 製作委員会
公式サイト　https://movies.kadokawa.co.jp/tonbi/

『バーニング・ダウン 爆発都市』

『バーニング・ダウン 爆発都市』

2022年4月15日（金）からシネマート新宿・心斎橋ほか全国ロードショー
出演：アンディ・ラウ、ラウ・チンワン、ニー・ニー
監督・脚本：ハーマン・ヤウ
アクション監督：ニッキー・リー
原題：拆彈專家2
英題：SHOCK WAVE 2
提供：ニューセレクト
配給：アルバトロス・フィルム
(C)2020 ALL RIGHTS RESERVED BY UNIVERSE ENTERTAINMENT LIMITED
公式サイト　https://burning-down.com/