政治ジャーナリストの田崎史郎氏が6月14日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。間近に迫る今夏の参院選の焦点について、「比例代表で野党第一党になるのは立憲か維新かが注目される」と解説した。
辛坊)旧社会党という大政党の流れをくむ社民党ですが、前回の衆院選で2%の政党要件をクリアできていないので、今回の参院選で2%の政党要件をクリアできないと、いわゆる政党助成法上の政党資格を失うんじゃないかという瀬戸際にあります。どうなりそうですか。
田崎)難しいところですね。ギリギリでしょうね。それよりも、野党で注目されているのは、比例代表で野党第一党がこれまで通り立憲民主党なのか、それとも日本維新の会になるのか、ですね。世論調査では、まちまちなんですよ。日本維新の会が上にいっている調査もあるんです。だから、どちらが比例代表でたくさんの票を取るか、というのがポイントですね。
辛坊)どちらが野党第一党になるかというのは、日本の政治にとって、かなり大きなことですか。
田崎)インパクトがあると思いますよ。ただ、非改選議席も含めると、まだ立憲民主党のほうが多いとは思うんですけれどもね。選挙区では日本維新の会よりも立憲民主党のほうが多いという可能性があり、比例代表での得票数の問題と、全体の議席数の問題も出てきます。つまり、比例代表では日本維新の会のほうが多かったが、全体の議席数では立憲民主党のほうが多かったという可能性もありますね。
辛坊)私のおぼろげな記憶ですと、改選議席で見ると、日本維新の会と立憲民主党は3倍くらい差があるはずですよね。
田崎)そうです。
辛坊)ですから、その差が接近してくるとなると、野党の勢力図は大きく変わってきますよね。
田崎)そうです。
辛坊)立憲民主党は、憲法9条を含めた憲法改正には「ノー」です。日本維新の会は、どちらかというと積極的です。そうなると、野党第一党がどちらになるかで、日本の憲法問題がどうなるかという根幹のところの話になりますね。
田崎)そうです。ですから、昨年の衆院選で立憲民主党が振るわなくて日本維新の会が伸びた結果、衆参両院における憲法審査会で審議が進んだんですね。選挙結果はやはり、そういうふうに影響を与えてくるんだと思うんです。
辛坊)そういう意味では、今のところあまり風も吹いていおらず、投票率が極めて低そうな、あまり注目されない今回の参院選なんですけれども、選挙結果が日本の政治に与えるインパクトはかなり大きくなりそうだということですね。
田崎)それは本当に大きいですよ。僕は、有権者の関心が低く、投票に行かない人が多くなることが心配です。でも、投票結果はその後の政治を変えることになるんですよ。ですから、変わった後に文句を言うよりも、投票に行ってほしいですね。
辛坊)結局、投票に行かないということは、選挙結果について全面的に認めているのと同じことですからね。
田崎)そうです、そうです。
番組情報
辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)