新型コロナ「第7波」による「病床使用率」の意外な内訳

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東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が8月10日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナウイルス感染症「第7波」による病床使用状況について解説した。

新型コロナ「第7波」による「病床使用率」の意外な内訳

※画像はイメージです

中等症の病床のなかには「軽症でも入院しなければならない患者」が約半分

飯田浩司アナウンサー)猪口先生は、東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で分析を行う専門家でもいらっしゃいます。この会議のニュースなどが出てくるときに、よく病床使用率が取りざたされていますが、病床が埋まっている内訳としては重症や中等症程度の方が多いのですか?

猪口)重症についてはまだ余裕があります。中等症の方も「中等症用の病床」ということにしていますけれども、入院されている方は必ずしも中等症というわけではありません。

飯田)そうでない方もいる。

猪口)中等症というのは、「必ず入院が必要な人たち」というイメージです。私たちは第7波に入ってきたときに、爆発的に感染者数が増えても、中等症を中心にうまく絞り込むことができれば、ある程度の感染者が出たとしても東京では乗り切れるという目論見でいました。

飯田)感染者が増えても。

猪口)しかし現実的には、中等症の患者さんのなかの半分くらいに、軽症なのだけれど、ある理由で自宅にいることができない、あるいは施設にいることが難しいというような患者さんが入院している部分があります。

飯田)軽症だけれども、潜在的なリスクが大きい人などですか?

猪口)そういうことですね。また、ご高齢者の場合には、自活ができない。周りが介助しなくてはいけないということになってくると、自宅にいるのは大変だと言う方もいます。高齢者施設などでは、一緒に入所している他の方たちにうつしてしまう可能性があるから、入院させてくれというような事情が入ってきてしまうのです。

新型コロナ「第7波」による「病床使用率」の意外な内訳

猪口正孝氏、飯田浩司アナウンサー

東京都ではオミクロン株の特性に対応した「高齢者等医療支援型施設」も

飯田)高齢者施設としても、クラスターを発生させるわけにはいかないということが念頭にあるのですか?

猪口)そうです。東京都の場合、軽症のご高齢者で特に入院が必要ない人には、高齢者支援型の臨時医療施設を用意しています。そこに優先的に入っていただくというような対応もしていますけれども、数が多すぎて、東京都が用意した数だけでは間に合わないのが現状です。

飯田)入院で受け入れるということになると、基本的に療養期間は10日間とされていますけれども、ここはそのまま入院・療養するという形になっていくわけですか?

猪口)そうですね。なるべくそうしたくはないのですが、事情がある場合にはそうします。一方で高齢者施設では、感染していても、なかで隔離スペースをつくって対応しているところもあります。最近は高齢者施設側の方の理解とスキルアップが進んでいます。

コロナ禍で圧迫される通常医療

飯田)病床がコロナ向けに割かれると、「病院のなかにもう1つ病院をつくるようなものだ」という話が以前伺ったときにもありました。他の病気をケアするところにも影響が出てくると。この辺りはご覧になっていていかがですか?

猪口)コロナ禍になってから、通常医療の方はかなり限られた資源のなかで、「何とかしなくてはいけない」ということで対応しています。これだけ感染が拡がると、通常医療のつもりで受けた患者さんが実は感染していたなどということも多いのです。通常医療が相当圧迫されていることは確かです。

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