互いに補い合い、一緒に歩んできた安倍元総理と菅前総理

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数量政策学者の高橋洋一が9月28日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。9月27日に行われた安倍元総理の国葬儀について解説した。

互いに補い合い、一緒に歩んできた安倍元総理と菅前総理

政治 衆院予算委員会で自らの携帯電話を楽しそうに安倍晋三首相に見せる菅義偉官房長官(右)=2018年10月31日午後、国会・衆院第1委員室 写真提供:産経新聞社

安倍元総理の「国葬儀」執り行われる

安倍晋三元総理大臣の国葬儀が9月27日午後2時過ぎから東京・日本武道館で行われ、午後6時過ぎに終了した。葬儀には国内の政財界などの関係者約3600人に加え、218の国や地域・国際機関などから約700人、合わせて約4300人が参列した。

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菅義偉前総理)あの運命の日から80日が経ってしまいました。天はなぜ、よりにもよって、このような悲劇を現実にし、命を失ってはならない人から生命を召し上げてしまったのか。悔しくてなりません。総理大臣官邸で共に過ごし、あらゆる苦楽を共にした7年8ヵ月。私は本当に幸せでした。何度でも申し上げます。安倍総理、あなたは我が国、日本にとっての真のリーダーでした。

「かたりあひて 尽しゝ人は 先立ちぬ 今より後の 世をいかにせむ」

深い悲しみと寂しさを覚えます。総理、本当にありがとうございました。どうか安らかにお休みください。

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菅前総理らしい、心のこもった弔辞 ~「趣味・安倍晋三」と言っていた菅氏

飯田)友人代表として、菅義偉前内閣総理大臣が追悼の辞を読み上げられました。

高橋)菅さんらしい、心のこもったお話でした。私はたまたま安倍さんと菅さんの両方にお仕えしていたので、両者の関係はよく知っていますが、菅さんは安倍さんに憧れていたのではないでしょうか。

飯田)憧れていた。

高橋)「趣味・安倍晋三」と言っていた時期がありましたし、安倍さんから見ても、菅さんのことが羨ましかったのではないかと思います。そのような感じがしました。

飯田)そうですか。

政治家の家系に生まれた安倍氏と叩き上げの菅氏

高橋)両者とも違うのです。安倍さんは政治家の家系に生まれて、最初から政治家のプリンスのような人でしょう。菅さんは叩き上げです。自分の息子さんを最初は秘書官にしたのですが、「政治家にはしない」と言って辞めさせました。ある意味で、菅さんは自由に発言できるのです。

飯田)家系のしがらみのようなものは……。

高橋)菅さんにはまったくありません。両者は自分にないところを、お互いに補っていたのではないでしょうか。

お互いによく電話をかけ合う仲

高橋)私が菅さんと一緒にいたときも、安倍さんからの電話がとても多かったですし、安倍さんと一緒にいるときも菅さんからの電話が多かったです。

飯田)安倍政権のときは総理官邸のなかで必ず茶話会があったと。毎日、ランチのあとにコーヒーを飲みながら雑談していたそうですが、対面での意思疎通だけではなく、電話も頻繁にあったのですね。

高橋)安倍さんが外遊に行くと、外遊先に着く前、飛行機にいる時点から電話がかかっていました。

飯田)機内からでも。

高橋)菅さんもよく電話をかけていました。

飯田)事務的な報告だけではなく、いろいろなことを。

高橋)事務的なこともあったと思いますが、それ以外もあったような気がします。ですから、昨日(27日)の菅さんによる友人代表としての弔辞にあったような感じでした。友人というよりは両者が補い合いながら、一緒に歩んでいたというような印象です。

安倍元総理には1回だけ言える ~「ここは違いますよ」と一度は忠告した菅氏

飯田)追悼の辞のなかにもありましたが、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の話など、タイミングにおいて少し齟齬もあったと。

高橋)方向は似ているのですが、違うのです。菅さんはよく「総理には1回だけ言えるよ」と言っていました。1回だけ言えるけれど、「2回は言えないよ」と。

飯田)「総理、ここは違いますよ」と。

高橋)1回だけ「こうだ」と言って、それで終わるのでしょうね。

飯田)よく内閣総理大臣は孤独なのだという話や、仕組み上は「何でも決めることができる」と言います。総理が「こう」と決めたとなると、かなり強いメッセージになります。しかし、1回であればそこに修正をかけられる。

高橋)菅さんの意見を聞いて修正することもあったでしょう。

飯田)それを受け入れるときもあったのだろうし。

高橋)どちらもあったのだろうと思います。

さまざまな人に話を聞いて咀嚼し、意思決定していた安倍元総理

飯田)安倍元総理はたくさんの人に電話していたということですが。

高橋)たくさん電話していたという話は聞いています。

飯田)高橋さんのところにもかかってきましたか?

高橋)私のところには問い合わせだけでした。「このように言っているけれど、どういうことなの?」という感じの電話でした。

飯田)専門である経済の話などですか?

高橋)専門の経済の話や、安全保障の話もありました。私は経済だけではなく、数量的に考えた戦争の話をするので。

飯田)いろいろな人に話を聞いて意思決定を行うと。

高橋)自分で咀嚼して、という感じでした。

飯田)自分の腹に一度落とす。台本があるとしても、一度、腹に入れて理解した上で行動するということですか?

高橋)安倍さんはほとんど入っていたのではないでしょうか。

飯田)実は台本がなくても同じように……。

高橋)話せる。総理になる人はみんなそういうことが身についています。安倍さんは国会答弁などでも台本を持たずに話していました。

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