インド・モディ首相が安倍元総理に感謝する「クアッド」の枠組み

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日本経済新聞コメンテーターの秋田浩之が9月29日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。安倍元総理の国葬儀を機会とした弔問外交について解説した。

2018年10月29日、日・インド首脳会談~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201810/29India.html)

海外での評価が高い安倍元総理

飯田)9月28日は弔問外交の最終日で、岸田総理は韓国の首相ら20人と会談しました。安倍元総理の国葬儀を機会とした弔問外交という形ですが、駆け足でしたけれども、いろいろな人に会っています。

秋田)日本では国葬への評価が完全に割れてしまったので、安倍元総理への評価も何となく二分しているような印象が漂っていますが、今回、国葬に来た首脳の発言を見ると、海外での評価はかなり高いのだなと思います。

飯田)安倍元総理への評価は。

秋田)安倍さんの下で、特に安全保障関連法を通した。日本はすべておんぶに抱っこでアメリカに守ってもらい、「あまり安全保障に貢献しない」という国から、経済だけではなく安全保障でも平和を保つ役割を果たすという方向に大きく踏み出しました。「それを行った総理大臣である」と海外は評価しているのだと思います。

飯田)口だけではなく、国内では法整備を行い、海外に目を向ければ中東に艦艇を出して安全を保つということもやりました。

特に評価の高いインドのモディ首相 ~インドを加えたクアッドという枠組みを立ち上げてくれた

秋田)メディアの報道によれば、インドのモディ首相は会談中に安倍さんの話をしていて、感極まって泣くのではないかというくらい評価していたそうです。もちろん性格的に相性がよかったということはあると思いますが、インドから見ると、クアッドという日米豪印4ヵ国の枠組みを日本が立ち上げた。インドがいちばん懸念している中国に対応していくための枠組みをつくってくれた。そんなことを主導するような日本の総理大臣は、いままでいなかったのです。そこに感謝しているのだと思います。

飯田)インドは、それまでは第三世界の雄というか、独立独歩なところもあったわけですが、一方では、周りの国々と連携するためのきっかけも欲しかったということですか?

秋田)そう思います。私は4月に会議のためにニューデリーへ行き、そのついでにインドの軍事・安全保障の専門家と話す機会がありました。やはり日本の感覚とは全然違って、中印の国境はいまでも準戦闘状態なのです。

クアッドによってインド単独ではなく、4ヵ国で中国の軍事的拡大に圧力を掛けることができる

秋田)インドは中国に対して警戒心と反発がある反面、挑発もしたくないのです。

飯田)なるほど。

秋田)ここが日本にはわかりづらいかも知れませんが、国境を接していて本当に怖いのです。ですので、インドが主導してクアッドを立ち上げることは危険なのだけれども、日本が主導してくれた。そこにインドが乗るという形を整えてくれたのは、大きかったのではないでしょうか。

飯田)自ら行おうとすると、「徒党を組んで俺とやろうとしているのか」と中国が誤ったメッセージを受け取ってしまう。

秋田)クアッドがなければ、インドは単独で中国とやり取りするしかないわけです。しかし、クアッドがあるおかげで、4ヵ国で中国に軍事的な拡大をやめるよう圧力をかけられる。そこに感謝しているのではないですかね。

インドにとってアメリカではなく、日本主導というところが重要なクアッドの枠組み

飯田)ASEANと対中国でやるときも同じですが、その辺りの色の濃淡は、アメリカであれば単一色で塗り潰そうとするけれど、日本はわかってくれるということですか?

秋田)アメリカが主導すると、中国はクアッドについても「アジア版NATOをつくるつもりではないか」と強く反発しているではないですか。アメリカが全面に出てくることは、インドはありがたいけれど劇薬になってしまうので、迷惑な部分もあるのです。

飯田)なるほど。

秋田)ここに日本とオーストラリアが加わって主導することで、もちろんそれでも中国はクアッドについて批判していますが、アメリカが全面に出てきて間に挟まれるよりはいいと思っているのではないでしょうか。

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