東京都医師会理事で「目々澤医院」院長の目々澤肇氏が10月13日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。帰国搭乗手続き中に陽性反応が出た自らの経験を語った。
帰国時、コペンハーゲンの空港で書類不備から新型コロナ再検査 ~「陽性」が判明
飯田浩司アナウンサー)先生はこの夏、スウェーデンに行かれて、いよいよ帰国というときに新型コロナ感染が発覚したそうですが。
目々澤)お恥ずかしいことでもありますが、7月22日の飛行機に乗って帰る予定でした。
飯田)何もなければ。
目々澤)事前にPCR検査を受けて、72時間以内に受けたものが陰性でなければならないのですが、陰性でした。それで「MySOS」という日本入国許可を示すアプリでブルーサインをもらって行きました。ところが、そのときもらった証明書が現地のものだけだったのです。
飯田)証明書が。
目々澤)厚生労働省が決めている書式にハンコを押されたものがなければダメだということで、乗せてもらえませんでした。
飯田)搭乗できなかったのですか。
目々澤)5月にアメリカから帰国するときには、MySOSのグリーンサイン(当時)を見せたら切符をもらえたのです。今回も同じだと思って行ったら、コペンハーゲンの空港は違いました。
飯田)アメリカではOKだったけれど。
目々澤)結局、書類不備となり、空港内のクリニックで検査を受けて陰性だったら乗せてくれるということだったので、仕方なく行くことにしました。
飯田)空港内のクリニックに。
目々澤)検査には20分で結果が出るものと、3時間で出るもの、翌日になるものがあるのです。「値段が違うけれど、どれにする?」と言われました。飛行機に乗れなくなったら困るので20分のものを選んだら、6万円近くもお金を取られました。
新行市佳アナウンサー)そんなにするのですか。
目々澤)高いお金を払って待っていたら、陽性だったのです。
飯田)そこでは陽性が出た。
目々澤)事前に検査を受けたところでは陰性だったのだけれど、その日の午後に熱中症っぽくなったのです。でも、それ以降は少し咳があるというくらいで、他に症状はありませんでした。私は昔からときどき咳をしていたので、気にしなかったのですが、それがコロナ感染だったのですね。
スウェーデンに戻り、娘さんの家で経過観察期間を過ごす
飯田)滞在先はスウェーデンで、デンマークの空港に行って陽性が出たと。この場合はどこで隔離されるのですか?
目々澤)レンタカーを借りて戻るしかありませんよね。でも、空港のなかで予約の取り直しをしようと思ってスマホを覗いていたら、お巡りさん3人に囲まれて、「お前は感染者だとカウンターで聞いたぞ。室内にいてはいけない。マスクの位置がずれて鼻が出ているから、マスクを上げてさっさと出ていけ」と言われました。
飯田)それでスウェーデンに戻った。
目々澤)スウェーデンに戻りました。偶然、うちの娘が引っ越しをするところだったのです。8月いっぱい、もとの家と次の家を両方借りていたので、頼りにさせてもらいました。その間に日本で言われている経過観察期間の10日間が過ぎます。それ以降は出入り自由になるわけですけれど、その間、自分で抗原検査キットで検査して様子を見ていました。そのころは、重大な制限期間は過ぎていました。
マスク着用であれば買い物してもいい
飯田)制限期間は過ぎていたと。
目々澤)だから登録も必要ありませんでした。
飯田)では、家にずっといて、外に出てはいけないということではなく。
目々澤)「人と接触しないでね」ということでした。
飯田)体調にもよりますが、人と接触しなければ、外に出て散歩してもいい。
新行)食べ物を買いに行ったりするのも大丈夫ですか?
目々澤)食べ物を買いに行くのも、当たり前のようにさせてもらえました。もちろん私たちだけはきちんとマスクをして、人にご迷惑をかけないようにという感じですね。
「調子が悪いときには無理をしない」ことを徹底する
飯田)ようやく日本も少しそこが緩和されました。
目々澤)そうですね。検査しなくても搭乗できるようになったのはいいことだと思いますが、空港でブルーサインが出て、私が飛行機に乗せられていたら、周りの人に感染させてしまったかも知れません。
飯田)書類の不備を指摘されずに。
目々澤)だから結果的には、空港職員の方は正しい判断をしたのだと思います。また、これから先、止められないまま知らずに感染した状態で飛行機に乗る方が出てくると思います。そこは今後も十分注意していかなければならないと思います。
飯田)自己診断で無理しないことを徹底しなければいけませんね。
目々澤)その通りですね。
番組情報
医師が週替わりで登場。
飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます