韓国・梨泰院の雑踏事故 犠牲者150人超に 「どこでも起き得る事故だ」辛坊治郎が指摘

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キャスターの辛坊治郎が10月31日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。韓国・ソウルの繁華街で発生した雑踏事故について、「日本にとっても他国の事故では済まされない。どこでも起き得る事故だ」と指摘した。

ソウルの繁華街・梨泰院で発生した事故で、現場周辺にあつまった多くの救急車両(ロイター=共同) 2022年10月30日 写真提供:共同通信社

ハロウィンでにぎわっていた韓国・ソウルの中心部、梨泰院(イテウォン)で29日夜、大勢の若者が折り重なるようにして倒れ、これまでのところ154人が犠牲となる痛ましい事故が起きた。2014年の旅客船「セウォル号」沈没事故以来の惨事となり、韓国メディアは警備体制の不備などを指摘している。

辛坊)びっくりしましたね。今のところ、犠牲者のうち外国人が26人で、日本人2人も含まれています。犠牲者の大半が30代までの若い人でした。衝撃です。

この事故は、新型コロナウイルス禍で強いられてきた行動制限の反動が大きく影響していると思います。韓国国内では今年、行動制限が3年ぶりに解禁され、たまりにたまった3年分の憂さを発散しようと、若い人が押しかけたという背景があります。ハロウィンでの梨泰院の人出はコロナ禍前だと8万~10万人程度だったそうですが、今年は約13万人が集まったようです。3割程度は増えたことになります。

事故現場の道路は勾配約10パーセントです。スキー場の初心者コースの勾配が10~20パーセント程度なので緩やかだと思うかもしれませんが、一般の道路ですからそれなりに急です。しかも、幅約3メートルで、両側には商店が並んでいますから、一定の人数を超えると逃げ場はなくなってしまいます。

それにしても、なぜ150人を超える人の命が失われたかというと、倒れて群衆の下敷きになり亡くなった方は確かに相当数います。ただ、最新の情報を総合すると、身動きがとれないほど密集した人込みの中で体が圧迫され呼吸ができず、立ったまま絶命した方もかなりの数に上るとみられています。

この韓国での事故を「他山の石」というにはあまりにも痛まし過ぎますが、どこでも起き得る事故です。つい先日の10月1日にもインドネシアのサッカースタジアムで観客らによる暴動が起こり130人超の犠牲者を出しましたが、犠牲者の多くは屋外へ通じる狭い出口に殺到したことで圧死したとみられています。また2015年には、サウジアラビアのメッカ郊外でイスラム教の大巡礼に参加していた信徒らが折り重なって倒れ、2000人超が亡くなっています。

同様の事故は頻繁に起きるわけではないため、皆、意識は薄いです。しかし、一定範囲に一定以上の人が集まるということのリスクは、実はものすごく大きいのだということを知っておくべきです。そして、こうした人込みには出かけないほうがいいと思います。

こうした事故が起きると、政権にとってはダメージになります。特に判断を誤ると、ダメージはより大きくなります。高校生ら約300人が犠牲になった韓国のセウォル号事故では、当時の朴槿恵(パク・クネ)政権が事故対応の不手際などで批判され、政権崩壊の要因の1つになりました。日本でも、米ハワイ沖で2001年、愛媛県立宇和島水産高の実習船「えひめ丸」がアメリカ原潜に衝突され生徒ら9人が死亡する事故が起きた際に、当時の森喜朗首相がゴルフを中断せず政治的な火種となり、政権崩壊につながりました。

韓国で誕生して間もない尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権にも同様のことが当てはまります。にもかかわらず、政権関係者らは政権のダメージにつながるといけないという心理からか、自分たちに火の粉が降りかからないような発言ばかりしています。警備当局者もそうです。しかし、こうした事故は原因を追究して明らかにしないと、また同じようなことが起きます。そして、日本にとっても他国で起きたことでは済まされない、我々の日常の中でも十分に起こり得ることだという認識が必要だと思います。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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