日本の唯一の安全保障は「核を持つこと」なのか
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数量政策学者の高橋洋一が11月9日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。討論番組「日曜報道 THE PRIME」で議論された日本の核武装の問題について解説した。
「日本は核武装するべき」というトッド氏 ~同時通訳での生放送の難しさも
飯田)11月6日に放送された朝の討論番組「日曜報道 THE PRIME」で、フランスの歴史人口学者であるエマニュエル・トッド氏が、日本の核武装について言及した際にスタジオが激論になったという話があります。
高橋)激論というか、最後に話したからというところですよね。
飯田)おそらく私の想像だと、CMに入る時間が決まっていて、直前でそんな話が飛び出したから、「もう時間がない」というところがあったのかなと思いました。
高橋)そうなのでしょうね。ネットで「言論封殺」などと言う人がいますが、それとは少し違うようなシチュエーションにも見えました。ただ、同時通訳で話しているときに隣の人が話すというのは、音がたくさんあってわかりにくかったですね。
飯田)どうしても同時通訳を噛ませながら、生放送で討論するとなると。
高橋)同時通訳していると、2人が話していることになるでしょう。そこにもう1人が隣から被せてくると、「何を言っているのかな」という感じではありました。
日本の唯一の安全保障は核を持つことなのか
飯田)話題になったのは、「日本の唯一の安全保障は核を持つことなのだ」という意見です。トッド氏の発言は、核を持てば安全で、アメリカの戦争にも巻き込まれず、中立的な立場を取ることができるという内容でした。日本の一般的な言論においては、日本の核武装についての発言はかなりセンセーショナルだったこともあり、(CMに入るタイミングなどから)「言論封殺ではないか」ということが出てきました。
高橋)ロジカルに「目には目を、歯には歯を」と考えると、日本の周りにはロシア、北朝鮮、中国という3つの核保有国があって、それぞれが非民主主義国です。非民主主義国は戦争確率が高い。抑止力を考えると、「防衛力」と「同盟」があります。
飯田)「防衛力」と「同盟」。
高橋)防衛力は自分で行うこと、同盟は強い仲間と一緒に行うことが抑止力になるのです。
飯田)そうですね。
高橋)そういうときに、核は防衛力としてのコスパが最もいいのですよ。コスパがいいから北朝鮮が一生懸命開発するのです。核1発で脅せるわけですから、コスパがいいのは間違いありません。
飯田)安価である。
高橋)コスパと言うと、「あなたは何を考えているのだ」と怒られてしまうかも知れません。防衛力をコスパで考えるのは普通ですけれどもね。
核を持つことの方がハードルは低い
飯田)防衛力と同盟だと、同盟の部分は憲法問題になりますし、防衛力と核の話はタブー視されてきたところですよね。
高橋)核の話の方が、制度的にハードルは低いのです。「非核三原則」があるけれども、あれは法律に基づくものではありません。自らの判断でやめていけば簡単です。技術的には、日本にも原発があるから材料はたくさんあります。普通に運用すれば原発になるし、暴走すれば核兵器ですから。
技術的には問題がない日本
飯田)あとは運搬手段ですけれども。
高橋)ロケットもあるでしょう。
飯田)それに関してはロケットもある。
高橋)技術的には十分ですよね。
原潜をレンタルすればいい
飯田)それを地上、あるいは潜水艦から発射するのか。
高橋)通常は潜水艦でしょうね。そちらの方がわかりにくいから。「原潜レンタル」の話をすると「過激だ」と批判されますが。
飯田)原潜を持つのか、通常の潜水艦を使うのか。あるいはそこに弾道ミサイルを載せられるのかという問題もあります。
高橋)退役したものをレンタルするのが、いちばんコスパがいいと思います。
飯田)昔使っていたものを。
高橋)安全でしょう。
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