パワハラを受けて精神的な苦痛を感じたら、まずは「内科の先生」に相談する

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東京都医師会広報委員で「石井メンタルクリニック」院長の石井一平氏が11月23日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。パワハラを受け、精神的な病となった場合の治療法について解説した。

パワハラを受けて精神的な苦痛を感じたら、まずは「内科の先生」に相談する

※画像はイメージです

精神的な苦痛を感じたら

飯田浩司アナウンサー)実際にパワハラを受けると、大半の人は我慢して会社に居続け、仕事をすることになると思うのですけれども、そういうときは何科を受診すればいいのでしょうか?

石井)精神科や心療内科は敷居が高く、行きにくい場合がありますので、身体の症状などがあるのであれば、内科に相談してみるのもよいかと思います。必要であれば、内科の先生が精神科の受診を勧めてくださることもあります。

飯田)まずはお医者さんに相談してみることが大事ですか?

石井)週1日~2日のリフレッシュで戻るという場合ならば、少し様子を見るのも悪くないと思いますが、苦しい状態が続いている場合は、医者にご相談なさった方がよいと思います。

精神科や心療内科での具体的な治療は?

飯田)仕事に行くのがつらかったり、朝起きられなくなったときには、どのような治療が行われるのですか?

石井)精神科や心療内科を受診すると、血液検査や心電図検査を行う場合もありますが、通常は問診をします。これまでにどのような経過があるか、どのような症状が目立つかなどを伺い、うつ病や適応障害などの診断を考えます。

飯田)まずは問診を行う。

石井)例えばうつ気分や不眠、不安などがある場合、薬物療法も行われます。気分が落ち込んでしまい、意欲を回復したいという場合には、抗うつ薬を使います。また不安や緊張、イライラなどを軽減する目的では安定剤を使います。不眠を改善する場合には睡眠剤などが使われます。

飯田)それぞれの症状に合わせて。

石井)精神科の薬に対しては、皆さま不安や副作用、依存性を気になさるのですが、実際には適切に使えば心配のないお薬がほとんどです。

パワハラを受けて精神的な苦痛を感じたら、まずは「内科の先生」に相談する

石井一平氏、飯田浩司アナウンサー

休職することも1つの有効な方法

石井)薬物療法以外には、職場環境、または上司の環境などが負担になっていることが多いので、職場の環境調整がより重要だと思います。状態が重い、出勤することが危険だと考えられる場合は休職をお勧めします。

飯田)休職。

石井)休職すると危険な場所から離れられ、気力や体力が回復しやすくなります。職場環境の調整や、ご自分のこれまでの疲労などを回復するのに2~3ヵ月かかることが多いです。

飯田)まずは離れることが大事になるわけですか?

石井)10年や20年くらい前には、過重労働やパワハラによって、残念ながら自殺まで至ってしまうことが多かったのです。そのため、いろいろな法律ができたのですが、本当につらい場合は迷わず受診し、先生にご相談なさるとよいと思います。

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飯田浩司アナウンサーと新行市佳アナウンサーが、健康に関する疑問や予防法、症状、治療法などを聞きます

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