戦時中の意外な「カイロ」の使われ方
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あなたの朝がいつもイイ朝でありますように---ニッポン放送『羽田美智子のいってらっしゃい』。12月6日放送分のテーマは「昔のカイロ」です。
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※画像はイメージです
明治時代には、一種の固形燃料である「懐炉灰」を使った「灰式カイロ」が主流でしたが、大正時代になると新しいカイロが登場します。液体燃料の「ベンジン」と、「白金(プラチナ)」を使った「ベンジンカイロ」です。気化したベンジンと白金との化学反応によって発熱します。
大阪にある「ハクキンカイロ株式会社」が発明し、1923年(大正12年)に販売したことから、『ハクキンカイロ』という名前で100年近く親しまれています。
『ハクキンカイロ』の熱量は、使い捨てカイロの約13倍もあります。また、発熱温度も一定しているため、寒さが厳しい場所や冬の野外レジャーの際にとても重宝されているそうです。25ccのベンジンで、最大約24時間も保温できるという大きな特徴もあります。
また『ハクキンカイロ』は戦時中、航空機のエンジンを温めるパーツの1つとしても使われていたそうです。厳しい寒さになるとエンジンが凍り、プロペラが動かなくなってしまいます。そのため、保温用に特製の大型カイロの注文がきたそうです。
エンジン周辺は火気厳禁ですが、『ハクキンカイロ』は安全とされ、高い評価を得たとのこと。他にも、南極観測船の常備品にもなっていたそうです。