米がウクライナに「パトリオット」を供与するのは「ロシアのインフラ攻撃」が効いている証拠

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外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が12月16日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。バイデン政権がウクライナへ供与するとみられる迎撃ミサイル「パトリオット」について解説した。

米がウクライナに「パトリオット」を供与するのは「ロシアのインフラ攻撃」が効いている証拠

東京臨海広域防災公園に展開した、霞ヶ浦分屯基地、第1高射群第3高射隊のPAC3(地対空誘導弾パトリオット)=2019年10月9日午前、東京・有明 写真提供:産経新聞社

アメリカがウクライナに迎撃ミサイル「パトリオット」供与の見通し

米CNNテレビなど複数のメディアは、アメリカ政府当局者の話として、バイデン政権がウクライナの防空能力の強化に向けて迎撃ミサイル「パトリオット」の供与を検討し、早ければ今週中にも発表されると報じた。パトリオットは弾道ミサイルや巡航ミサイル、航空機などの迎撃に使われる高性能なミサイルシステムである。

飯田)米ホワイトハウスのカービー戦略広報調整官は12月14日、記者団に対して具体的な言及は避けたものの、「ウクライナにとって防空能力は緊急に必要なものであり、我々も優先している」と述べたということです。

精度の高い迎撃ミサイルシステム「パトリオット」

宮家)状況を見れば当然だと思います。先日モルドバへ行きましたが、停電があったのです。ウクライナの電力システムがミサイル攻撃されたからです。

飯田)ロシア軍によって。

宮家)その影響でモルドバまで停電したわけです。このパトリオットは日本も持っている、相当性能の高いミサイル防衛システムです。

飯田)そうですね。

宮家)パトリオットは射程が短いですから、1個で全部ウクライナをカバーできるものではありません。電力など、重要インフラのところに置いて、そこを狙ってくるミサイルや航空機を撃ち落とす。それで重要インフラを守るのだと思います。

飯田)どれくらいか明確ではないですけれど、半径5km~10kmくらいの地域をカバーできるようです。

宮家)かなり狭い。THAAD(サード=高高度防衛ミサイル)の方が遥かに高高度ですからね。その代わり精度は高いですから。

飯田)精度は。

宮家)最終段階まで捕捉した上で撃ち落とすので、効果的だろうと思います。ロシアも無限にミサイルがあるわけではありません。パトリオットを導入することによって、抑止効果も期待できると思います。

米がパトリオットを供与するということはロシアの電力網への攻撃が効いているということ

飯田)これは「攻め入っていくぞ」という兵器ではない。

宮家)防空兵器ですからね。迎撃ミサイルなので、それはないです。アメリカもウクライナに対して慎重に武器供与をしていますが、ロシアによるウクライナ電力網に対する攻撃が効果的だという証拠ですね。

飯田)パトリオットを供与するということは。

宮家)だからこういう形で、迎撃しなくてはいけない状況になってきたのだろうと思います。

飯田)実際の戦場のみならず、インフラも狙ってくるという。

宮家)酷いことをしますが、それが戦争ですから。こういうものを導入して電力だけは守ってあげないと。寒いですからね。

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