入閣前の「身体検査」はどこまで行っているのか疑問 秋葉復興大臣が更迭

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ジャーナリストの有本香が12月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。秋葉復興大臣の更迭について解説した。

入閣前の「身体検査」はどこまで行っているのか疑問 秋葉復興大臣が更迭

参院予算委に臨む秋葉賢也復興相=2022年11月30日午前、国会・参院第1委員会室 写真提供:産経新聞社

岸田政権の「政治とカネ」 ~秋葉復興大臣が更迭

飯田)各紙1面トップで「秋葉賢也復興大臣、きょう(12月27日)にも更迭」などという文字が掲げられていますが、こういうことが相次ぎますね。

有本)いくら何でも「政治とカネ」と言えど、いろいろとレベルがあるわけです。

飯田)政治とカネと言っても。

有本)「このお金の管理はないですよね」という感じがします。いわゆる「身体検査」では引っ掛からなかったのですかね。

入閣前の「身体検査」はどこまで行っているのか疑問 ~交代した閣僚はこれで4人

飯田)事務所の賃料として、母親や妻に約1500万円を払っていたなどと報道されています。

有本)そうですね。

飯田)本当に親族のなかでお金が回っているのではないかと。

有本)政権を攻撃しようとして、いろいろな政治資金収支報告書を洗っているグループがいるのは事実です。一方で自民党側でも、入閣すると考えられる人に関しては、かなりチェックしているという話を聞きますが、チェックしていたらこの事態はないですよね。

飯田)総理官邸でも身体検査しているというようなことが言われますけれど。

有本)言っていますけれどね。でも、1人ひとりのお金について「果たしてどこまでやっているのか」という思いはあります。これで閣僚が4人。

飯田)4人。

有本)辞任交代ということでしょうかね。

発信がちぐはぐな岸田政権

飯田)支持率もかなり落ち込んできていると言われます。しばらく選挙はないと言いながら、春には統一地方選がありますよね。

有本)その結果次第では、このまま政権を維持するのが難しいという方向になっていき、選挙となる流れは考えられます。

飯田)最近は支持率が下がるような話がたくさん出ています。

有本)岸田政権は発信があまりにもちぐはぐですよ。なかには評価できることがあると思うのです。安保3文書の改定をめぐっても、評価できない面もありますが、かなり踏み込んだという点では、総理のご決断あってのことだと思います。ただ、それにご自身たちで冷や水を浴びせるようなアナウンスが多すぎます。

防衛費の増税の話もいきなり出てきた ~騙し討ちをされたと思う国民

飯田)安保3文書に絡んで防衛費に関する増税の話もありますが、直前までは増税の話など……。

有本)「ぞの字」も言わずに、というような感じですよね。

飯田)そうですよね。

有本)そういうところが、国民にしてみれば騙し討ちをされたと思うわけです。

企業に対して増税しておきながら「賃金は上げてください」は通じない

有本)さらに最近、財界といろいろ接触していますけれども、「増税するぞ」と言っておきながら、「物価高ですから賃金は上げてください」と。それは財界としても「いい加減にしてよ」という感じですよね。

飯田)そうなりますよね。

有本)安倍政権のときにも結局、消費税は勉強しつつ上げているわけですけれど、しかし、あのとき財界は「もう仕方ないよね」という流れで容認していた。財界の方がむしろ容認的だったのです。

飯田)あの当時は。

有本)ただ、今回は「何を言っているのだ?」と、みんながそんなニュアンスで反応しています。それもそうですよね。物価が上がって、これから景気がますます悪くなるというときに「増税だ」と先に言ってしまえば、企業は「そうなるなら固定費は抑制しようかな」と考えるではないですか。それなのに「あなたたちの頑張りで人件費だけは上げてくださいよ」と言うのはね。

飯田)株主にどう説明したらいいのでしょうか。

有本)企業の理屈としてはそうなりますよ。物価高を抑えるために政府はあらゆることをやっているのですかと。例えばいろいろな補助を出すということではなく、エネルギーコストを国としてどう下げていこうと考えているのか。そういうところが見られないまま、矛盾したことを言っているのですよね。

上手にアナウンスするべき

飯田)増税、あるいは社会保険料の値上げもそうですが、各省庁がそれぞれバラバラにメッセージを出している感じがあります。

有本)そんな感じがありますよね。岸田政権が「どこに向かいたいのか、その目標はあるのか?」という疑問を国民に抱かせてしまいます。一方、自民党の方では、萩生田政調会長が「増税と言っても時期を明示していないし、まだまだ検討の余地がある」とおっしゃっているではないですか。

飯田)そうですね。

有本)例えば国債の償還期間を見直す。12月10日前後に萩生田さんが台湾を訪問しましたが、確かその前日くらいに岸田総理が増税方針をいきなり言ったわけです。

飯田)増税の方針を。

有本)萩生田政調会長は、台北でその点を答えなければいけないということで、そのとき国債の償還期間の見直しについては既に言っていました。「いま議論が始まるところなのだ。決まったと考えるのは早計ですよ」というニュアンスで一生懸命、軌道修正しようとされていた。

飯田)萩生田政調会長が。

有本)あるいは「見つければ財源はまだまだある」ということを言っているではないですか。その辺りをもう少しうまくアナウンスすべきではないかと思います。

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