「内閣改造」できるパワーがない岸田政権 真実味を帯びる「広島サミット勇退論」

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ジャーナリストの須田慎一郎が1月2日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。今後の岸田政権について解説した。

「内閣改造」できるパワーがない岸田政権 真実味を帯びる「広島サミット勇退論」

2022年11月25日、会議のまとめを行う岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202211/25shisan.html)

内閣改造するのではないかという声もあったが ~内閣改造できるパワーがない

飯田)年末年始にも閣僚の交代がありました。

須田)遅すぎますよ。秋葉復興大臣については、福島の理解がなければ復興大臣にはなれないのに、自身の政治資金問題のために福島出張を取りやめてしまった。この時点で普通はアウトでしょう。自身の国会対策のためにですよ。

飯田)どちらが大事なのか。

須田)これで被災者の支持が得られるかどうか、理解が得られるかどうかと、普通の総理であれば考えるべきだと思います。

飯田)一応は辞表を出していますけれども、秋葉復興大臣は事実上の更迭です。この人事も国会が閉まったあと、暮れの押し迫ったところでさっさとやっていました。秋葉さんを辞めさせるのだとしたら、もう閣僚(の交代)は4人目になるので、内閣を改造するのではないかという話も12月にはありました。

閣僚候補者が各派閥からの推薦でしか集まらない ~一本釣りできない岸田内閣

須田)岸田さんとしては内閣改造をやりたかったところでしょう。年明けの内閣改造も視野になかったわけではないと思います。ただ、内閣改造するためには、それだけのパワーが必要なのです。それがなかったのではないでしょうか。

飯田)改造するまでの力がない。

須田)内閣改造をするにしても、門前市を成すように閣僚になりたい候補者が、自薦も他薦も含めているのかどうか。私も年末に直接、閣僚待機組の人に話を聞きましたが、「ここで1回権利を使っても、すぐに政権が倒れてしまいそうだから、いまここで使うのは損だな」と。「自分は閣僚待機組だけれども、今回は様子見ですね」と言っていました。

飯田)なるほど。

須田)短命で終わってしまったら、もったいないではないですか。副大臣や政務官については各派閥に均衡割りをしていたのだけれども、首相あるいは官邸に力がなければ一本釣りできないのですよ。そうすると閣僚から推薦名簿を出してもらうことになるのです。

身体検査は各派閥で行う ~政権側できちんと身体検査ができない

須田)各派閥から出てきた推薦名簿は、官邸の身体検査が効かないのです。身体検査は各派閥で行うのが一般的ですから。

飯田)だからこれだけいろいろ出てくるのですか?

須田)そうなのです。「身体検査をやっていない」と野党は批判するけれども、各派閥からの推薦の場合、その責任は各派閥にあるのです。だから岸田さんとしては、腹に忸怩たる思いがあると思います。「どうしてきちんとやってくれないのだ」と。

飯田)今回の秋葉さんの件にしても、「茂木さんのところから起用したのに」というような思いがある。結局そこには茂木派の渡辺博道さんが入ると。やはり派閥均衡の人事だということが、ここからもわかりますものね。

広島サミット勇退論

須田)そのような状況のなかで、年明けの内閣改造は難しくなり、年末のあのタイミングになったのだと思います。

飯田)総理は年頭所感のなかで、G7の議長国として広島サミットを主催することにも触れていました。また、報道ベースですけれども、1月には欧米歴訪の予定があるのではないかと言われています。

須田)バイデン大統領と会談を持つことは、世論に対するアピールになるのだろうと思います。しかし、会えることは会えるけれども、アメリカは春の終わりくらいから事実上の大統領選挙へ入っていきます。もう関心は内向きで、バイデン大統領も岸田さんに十分なお土産を持たせられるような状況ではありません。ただ会うだけになるのではないでしょうか。

飯田)向こうも「アメリカ国内にアピールするようなネタを持ってきてくれよ」くらいに思っているわけですか?

須田)そうなのです。ここでアメリカに行くことが是なのか非なのかは、結果を見てみないとわかりませんけれどね。見極めなければいけないと思います。

飯田)アメリカに行くことを。

須田)そうなると、いよいよ5月のサミット花道論が現実味を帯びてくる。

大きなターニングポイントを迎えている岸田政権

飯田)5月に国会がまだ開いているところで、それに対して「解散をどうする」というような話になりそうですか?

須田)いずれにしても、次年度予算案を年度内に仕上げて成立させることが、政権にとって最優先事項です。いまの衆参の勢力があればスムーズに進んでいくでしょうし、3月末ごろに、いろいろきな臭い匂いが漂ってくる可能性もあります。そうすると5月までどうなのでしょうか。

飯田)その間に統一地方選挙があるので、選挙結果が出てきますよね。国政と違うとは言いながら。

須田)統一地方選挙だって増税との絡みもありますから、どうなるのか。この年末年始に大きなターニングポイントを迎えているのだと思います。各国会議員はみんな、地元に帰っていますから。

飯田)そこで雰囲気を見てくると。

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