コロナ病床、「5類」引き下げ後も継続 「利権の補助金を守るためだ。“普通の病気”なのに、おかしな話」辛坊治郎が苦言

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キャスターの辛坊治郎が2月22日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。新型コロナウイルスの感染症法上の分類が5月に季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げられる一方で、コロナ病床は5月以降も継続されることについて、「普通の病気扱いにするのに、おかしな話。コロナ病床の利権である補助金を守るためだ」と苦言を呈した。

コロナ病床、「5類」引き下げ後も継続 「利権の補助金を守るためだ。“普通の病気”なのに、おかしな話」辛坊治郎が苦言

※イメージ

新型コロナウイルスの感染症法上の分類の引き下げに伴い、医療提供体制を段階的に正常化する政府の移行案が分かった。入院患者を受け入れるコロナ病床は引き下げ後も当面継続し、1年以内の廃止を目指す。そして、廃止後は外来診療にあたる医療機関を現在の約1.5倍となる約6万4000カ所まで増やしたい考えだ。

辛坊)実に変なニュースです。現在は「2類相当」であるコロナの感染症法上の分類を5月以降は季節性インフルエンザ並みの「5類」に引き下げ、普通の病気扱いにするわけです。現在はコロナ感染が判明すると、持病などがあっても一般病床には入れてもらえず、コロナの専門病床に入れられてしまいます。5月に「5類」に引き下げるのであれば、コロナ感染者も一般病床に入れるはずですよね。しかし、このニュースから分かるのは、それがどうやら違うということです。

5月以降は正常化するのであれば、その段階でコロナ病床をなくすのが筋です。なぜ、そうならないかというと、国が都道府県を通じて医療機関に支払う病床確保料があるからです。いわゆる補助金です。この病床確保料は、当初は1床あたり1日最大9万7000円でしたが、その後に引き上げられて最大43万6000円になりました。その結果、何が起きたかというと、病床確保料はもらっておきながら、コロナ患者を受け入れていなかった医療機関が現れ、問題になったわけです。

会計検査院が国立病院や労災病院など全国の269医療機関を調査したところ、コロナ禍前の2019年度は1医療機関あたり年間平均3億8000万円の赤字でした。ところが、コロナ禍になると急激に経営収支が改善し、20年度は7億円の黒字に転換しました。その後も、この約2年はものすごく儲かっています。これって、おかしくないですか。

今年5月以降、コロナを感染症法上の分類で季節性インフルエンザ並みにします。では、季節性インフルエンザに現在、専門病床がありますか。ありませんよね。それにもかかわらず、コロナ病床は5月以降も残すというんです。つまり、5月以降もコロナ病床に対する病床確保料は支払い続けるわけです。しかも、「1年以内の廃止を目指す」ということは、5月から1年後も継続される可能性があるということですよ。実に、おかしな話です。

今回、感染症状上の分類の引き下げをめぐっては、医療関係者から猛烈な反対がありました。理由は、厚生労働省傘下の利権である病床確保料が打ち切られるかもしれなかったからです。そこで、厚労省としては「5月以降も病床確保料を継続するから、分類の引き下げを納得してよ」となったわけです。この国は、どうなっているのでしょうかね。

番組情報

辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!

月~木曜日 15時30分~17時30分 

番組HP

辛坊治郎さんが政治・経済・文化・社会・芸能まで、きょう一日のニュースの中から独自の視点でズームし、いま一番気になる話題を忖度なく語るニュース解説番組です。
[アシスタント]増山さやかアナウンサー(月曜日~木曜日)、飯田浩司アナウンサー(木曜日のみ)

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