『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 「第95回アカデミー賞」注目度No.1ムービー

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【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1105回】

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画・ドラマを発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。

いま、映画ファンの間で話題となっているのが、米アカデミー賞。

日本時間の3月13日に授賞式が開催される今年度は、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』や『トップガン マーヴェリック』といった娯楽超大作から、『イニシェリン島の精霊』『TAR/ター』などインディペンデント系の秀作まで、バラエティ豊かなラインナップが揃っており、オスカーの行方が気になるところです。

そこで今回は、「第95回アカデミー賞」でも注目の2作品をフィーチャー。『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』と『フェイブルマンズ』をご紹介します。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

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映画館で観たい!『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』 ~全人類が初体験! カオスすぎるアクション・エンターテインメント

本年度アカデミー賞では、最多となる10部門11ノミネート。オスカーへの期待がますます高まる『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』。

日本公開前日となる3月2日時点で、世界の賞レースにおいて541ノミネート274受賞。全世界興行収入は、すでに1億ドルを突破。快進撃を続けています。

製作は、オリジナリティあふれる魅惑的な作品を数多く世に送り出してきた人気スタジオ「A24」。カンフーとマルチバースを融合させた、かつて誰も観たことがないアクション・エンターテインメントです。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のあらすじ

ごく普通の主婦・エヴリンは、山のように問題を抱えていた。

コインランドリーの経営、税金の申告、父親の介護、反抗期の娘、そして優しいだけで頼りにならない夫。まるで余裕のない生活を送る彼女の前に現れたのは、「別の宇宙(ユニバース)から来た」という夫。

その夫から「全世界にカオスをもたらす強大な悪を倒して欲しい」と懇願されて驚くエヴリンだったが、ワケもわからないままマルチバースにジャンプ。そこでカンフーマスターである“別のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むが……。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』のみどころ

エヴリンを演じたのは、アジア系アクション女優としてハリウッドで活躍してきたミシェル・ヨー。

別のマルチバースではアクションスターとして成功しているエヴリンに扮していますが、華麗な姿はミシェル・ヨー本人と重なる部分も。他にも歌手やシェフなど、マルチバースごとにさまざまなエヴリンを演じ分け、その快活さに魅了される人も多いことでしょう。

そしてエヴリンの夫ウェイモンド役には、キー・ホイ・クァン。

『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』や『グーニーズ』で天才子役として名を馳せましたが、最近は俳優業からは離れていた彼。本作で満を持してのスクリーン復帰を遂げ、キレのあるカンフーアクションを披露しています。

国税庁の役人役ジェイミー・リー・カーティスや、エヴリンの娘ジョイ役のステファニー・スーをはじめ、個性豊かな共演者とともに、全宇宙を舞台にした闘いが繰り広げられます。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

SFで家族愛を描いたドラマであり、カンフー映画でもあり。おバカテイストなアクションコメディとして楽しめる一方で、哲学的な思想が垣間見える部分もあり、その独特な世界観に没入してしまう人も多いはず。

とんでもなく可笑しくて変だけれど、何故か感動の涙があふれてしまう。大きなスクリーンで、無限に広がるカオスにどっぷりと浸って欲しい1作です。

『フェイブルマンズ』

『フェイブルマンズ』

コチラも映画館で観たい!『フェイブルマンズ』 ~スティーヴン・スピルバーグ監督が、自ら語る少年時代

「この物語を語らずにキャリアを終えるなんて、想像すらできない」

不世出の巨匠スティーヴン・スピルバーグ監督が、いかにして映画監督になったのか。自身の原体験を描いた、スティーヴン・スピルバーグ監督初の自伝的作品。「第95回アカデミー賞」では、作品賞を含む7部門でノミネーションされています。

両親との葛藤、家族の絆、恋、そして愛する映画との出会い。夢を追いかける少年の物語としても、家族のドラマとしても秀逸な1作です。

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』

2023年3月3日(金)からTOHOシネマズ 日比谷 ほか全国ロードショー
脚本・監督:ダニエル・クワン&ダニエル・シャイナート
出演:ミシェル・ヨー、ステファニー・スー、キー・ホイ・クァン、ジェームズ・ホン、ジェイミー・リー・カーティス、タリー・メデル、ジェニー・スレイト、ハリー・シャム・JR.
原題:Everything Everywhere All at Once
配給:ギャガ
(C)2022 A24 Distribution, LLC. All Rights Reserved.
公式サイト https://gaga.ne.jp/eeaao/

『フェイブルマンズ』

『フェイブルマンズ』

『フェイブルマンズ』

2023年3月3日(金)から全国ロードショー
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:スティーヴン・スピルバーグ&トニー・クシュナー
音楽:ジョン・ウィリアムズ
衣装:マーク・ブリッジス
美術:リック・カーター
編集:マイケル・カーン、サラ・ブロシャー
撮影:ヤヌス・カミンスキー
出演:ミシェル・ウィリアムズ、ポール・ダノ、セス・ローゲン、ガブリエル・ラベル
原題:The Fabelmans
配給:東宝東和
(C)Storyteller Distribution Co., LLC. All Rights Reserved.
公式サイト https://fabelmans-film.jp/

連載情報

Tokyo cinema cloud X

シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。

著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/

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